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2024-06-01

石徹白川 初河谷~倉谷

2024.6.1

長年の友人である江戸切子さんが、北陸出張ということで、週末に予定を合わせて一緒に沢登りに行くことになった。ここ最近はひとりでこっそりと沢へ行っていたのでのでとても嬉しい。

今回は、先週に引き続き石徹白川支流にあって名渓であり、白山山系では最大規模のナメ床があるという初河谷(はっこだに)に訪問した。

初夏か秋に是非ともおすすめしたい素晴らしい沢だ。

石徹白地区はとことんアクセスが悪い。岐阜側、福井側どちらからも山道を長いこと走ることが必須。

阿弥陀が滝の近くの沢が結構美渓だとか、そんな話を江戸切子さんとしているうちに八反滝の駐車場についた。

初河谷にある最初の大滝は八反滝という名がついており、かつて観光滝として整備されたようだ。しかし訪れる人も多くはなく、遊歩道はもはや廃道と化している。

沢の中や時折わかりやすい遊歩道跡を歩いていくと前方に大きな直瀑が現れた。これが八反滝だ。

八反滝
豊富な水量、端正な直瀑

八反滝の大きさは30mくらいだろうか。 典型的だがケチのつけようもない綺麗な直瀑。 八反というのは一反木綿と同じように田んぼの単位が由来しているのだろうか? この滝は右岸の草つきから巻いていくが、上部の斜面が結構悪い。ポムチムはチェンスパを装着して巻いていった。少し大きめに巻いて、気を伝って降りていくと落ち口の目の前だった。

初河谷は素晴らしい水質で釜は青々としている。右岸から注ぐ簾状の支流滝もとても優美である。

やがて両岸が徐々に険しくなってきて、滝の予感… するとまもなく第2の大滝のお出ましだ

第2の大滝 いい滝だ
岩盤が特に特徴的だ

これがまた素晴らしい滝だこと。見事な鱗状の岩盤、落差も25mはあろう申分なし。

直下で飛沫を感じながら、さてどこをどうやって巻こうかなと見渡す。

一見して高巻きのラインが見出せず、下流へ降りながらあたりをつける。100mくらい下った右岸が小尾根っぽく張り出していて、ここじゃないかと江戸切子さん。一段登ってみると確かにここに違いない。特に危うげもなく巻けた。

ここから先は沢が開けて、太陽をガンガンに感じる開放感ある渓相だ。すみっこにわずかな雪渓が残っていたが結局これだけ。6月の豪雪地帯の沢なのに、昨冬はどんだけ雪降んなかったんだよ。

確か右岸巻きした
co1300の滝マークだったか

10m前後の滝が複数あるが、いずれも簡単に高巻けるか、直登できるかだった。終始明るい谷に退屈せず進む。

co1320の幅広滝 これもいい滝だー
はいどん! こちらナメ天国でございます

co1320には滝マークがないが幅広の10m滝が現れる。この滝も例に漏れない美しさだ!滝見が好きであればこの初河谷は特におすすめしたい。幅広10m滝は右側の流れを簡単に直登できた。

そしてそしていよいよ現れた長大なナメ天国。ここ初河谷には確かにナメの楽園があった!

視界のずっと先までナメが続き、歩けど歩けど続くナメ 樹林に覆われず白い岩が作り出す開放感いっぱいのナメ。これが見たかったんよ〜。

めっちゃ綺麗!
これはすごいじゃん

いやいや本当に素晴らしいナメで感動しちゃったね。正直言ってポムチムはかなり沢山ナメが綺麗な沢へ行っている。短いが綺麗なナメは大体どの沢にも一つや二つはあるけれど、この長さはすごいや。

さすが白山山系最大規模ってだけあるぜ!最高!

屋久島で見たあの釜のよう
まだナメは続く

このまん丸い釜の可愛いこと 青い水が澱みなく湛えられている。まだまだ続く 一体どこまで〜?

果てしないナメ
いよいよナメも佳境

これまでナメが印象的な沢は沢山行ってきた秋田の赤水・桃洞沢に中ノ又沢、あれは10km近くナメ歩きだったな〜 米子沢も当然素晴らしかった! 下ノ滝沢はナメスラブ系では日本一かな!? でもこの初河谷のナメもそれらと比肩する本当に本当に綺麗なナメを持っている。

続いては泥岩系のナメ
まぁまぁ綺麗だね

co1370の滝をシャワーで越えると長かったナメ天国は一旦終幕。 そのあとは岩種が堆積岩っぽいちょっと泥みがかったナメがまた続く。この沢を忠実に詰めると一泊コースになるのでひとしきり見せ場を見終えたらちょっと引き返し、西側の倉谷へ乗越す。

最初はco1400付近の枝沢から最低鞍部を目指したが、枝沢はただの藪でとても進めるレベルではなく。

一つ上流のco1410の枝沢から乗っ越すことにした。ここは水流が続き大した藪もなく稜線に到着した。

ちなみに稜線は展望が効かずちょっと残念。

倉谷の枝沢を下降するが、これがまたナメ続きですこぶる快適に下降できる。あれよあれよという間にco1170で倉谷本流との出合いに降り立った。倉谷本流はすぐ上流にゴルジュがあり、これを少し見学してから倉谷を下降する。

時折すごく綺麗な釜や短いナメがあるがこれといった見せ場はない。しかし下降沢としては100点で面倒なくスタスタと下降する。

倉谷は下降しやすい
こんな大釜もある

最後はいくつかの砂防堰堤を巻いて降りて行って林道へ出た。 ここからはちょっと歩いて駐車場へ帰還。

この沢に来れただけでも災害対応に来てよかったなと思った。私は普段東北〜甲信越がメインでそれより南の沢はほとんど行かないが、雪の少ない今年は6月からこんな沢を楽しめてしまう。江戸切子さんを来れたことも含めてほんといいタイミングだったな〜…

帰り道に白山中居神社に寄ってお参り。かなり神聖な雰囲気のあるところだった(時間があれば是非寄ってみてほしい) 今度この辺へ来る機会があれば石徹白スギを観光したい。

初河谷は経験者同伴であれば沢登り初級者から楽しめるはず、最初の八反滝の高巻だけはしっかりと注意を要する。 これはもう大変オススメの沢だ! 江戸切子さんありがとうございました!

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