胆沢川 キッツ川(中俣〜右俣)
2024.7.13
キッツ川のキッツとはなんなんだろうか?
キッス?キッズ?
三連休だが、自分は海の日に毎年恒例のとある資格試験に不合格しに行かければならないため、土日でどこか行こうかと思っていた。
仕事や会社の行事に参加しているうちに金曜になってしまい、飲み行く前にとりあえず天気予報を見ると梅雨前線が東北以南では停滞しており、まともに天気持ちそうなのは岩手以北といった感じ。
土曜は普通に晴れそうで、泊まり沢にでも行きたい所だが全く準備する余裕もなく、どうするか~と決めかねていたところに葛見さわさんが夏油のキッツ川を提案してくれた。
キッツ川は酔いどれさんをはじめとした近年岩手沢ヤの間でホットな沢で、比較的大きな沢で支流も豊富だが、最近まで詳細な記録がなかった流域なようだ。
キッツ川は大きく分けて右俣、中俣(左俣右沢と呼ばれてる) 、左俣があり、左俣(本流)に関してはいまだにWEB上には記録がないようだ。
右俣と中俣は近年になって詳しく記録が残されていて、そのうち中俣はナメ床天国が広がっているようだ。
ポムチムはナメが大好きなので、葛見さわさんのキッツ川提案に決定した。
キッツ川中俣の記録を見るとどうやら、夏油温泉の方に車をデポして経塚山の登山道で下山しているようだ。
でもこのデポはなかなか大変そうだし、普通に右俣下降で周回できるので、今回は中俣遡行、右俣下降とした。
八郎橋から入渓するとすぐにゴルジュが楽しませてくれる。思ったより遥かに水量が多い沢で、本流遡行の雰囲気すら感じる。泳ぎこそないが、豊かな水量を感じる遡行が楽しい。
右俣を分けるとゴーロっぽいが渓相がよく、ちょくちょくミニゴルジュが挟まり全く退屈しない。
Co640で左岸から地形図には水線のない立派な沢が出合う。こちらも近年遡行されたようでなかなか良さげである。
キッツ川本流は断続的に美しい滑や小滝が現れて決して退屈しない。真っ赤なデイサイトが抉れた景観など見どころが多い。
特筆した滝はないが、釜を持つ滝や際どいへつりで超える滝などやはり楽しめる要素に満ち満ちている。
美しいブナ林で、中俣が出合う。左俣との水量比は1:1 、中俣周囲の森の美しさは別格である。
中俣を少し遡行すると、徐々にナメがはじまり、気がつくとナメ!ナメ!ナメ!のナメ天国
ただのナメではなくナメ滝のため、段々になっている様がとても美しい。
ナメ区間は長く続き、大袈裟でなくまさにナメ天国のよう。暑い日差しを避けるように泳ぐ葛見さわさんもご機嫌な様子。
行けども行けどもナメ小滝が続く。東北珠玉の美渓に違いない。
東北を象徴するようなナメの渓相。水量も多くて実に爽快。ここはきっと秋も素晴らしい。
co860で右岸から支流が出合う区間は開けた連瀑で一癖二癖ある小滝登りが面白い。
co900を超えるといよいよ沢の規模も小さくなってくるが、まだ小粒なナメが続く。
Co950で東側の支流へのっこす、薮は薄く尾根まで10分もかからない。この支流を少し登り、Co1000あたりから右俣の方へ乗越す。
やはりここも薮はあまり濃くなく、尾根までそんなに苦労しなかった。右俣までは枝沢を下降する、途中いくつかの滝をクライムダウンして、この枝沢は右俣と滝で出合う。右俣は下降に適していて、懸垂下降が必要なものもなく、下降できる。
結局右俣下降は特に問題になるところはなく、簡単なクライムダウンと浅いゴルジュ下りが続き、それなりに快適で楽しめた。本流が近づくとヌメりが強くなり足元注意で下降した。
感想として右俣は、中俣と比べると取り立てて見どころもなく、遡行で行くにはやや消化不良かもしれない。
右俣の下降を続けて本流まで行くと、またゴルジュを通過しないといけないので、左岸のフラットな段丘を突っ切って八郎橋に帰還した。
キッツ川中俣のナメ天国は噂に違わぬ美ナメが続き、そのほかの区間も楽しい沢登りであった。
どうやら今のところ、開拓した岩手県内の沢ヤさん達と我々しか行ってないようなので、自分からもキッツ川おすすめしておきます。
記録を残してくださった岩手県の沢ヤさん達ありがとうございます。キッツ川いい沢でした!
左俣(本流?)も気になりますね。まぁ、岩手の沢ヤかはたまた我々か、そのうち誰かがいくでしょう。
くずみんありがとうございました!