toggle
2024-10-20

朝日前衛 明沢川・ソボネ沢~金目川・荒沢

2024.10.20

オス4人で記録未見の充実日帰り沢登り

お盆に中澤さんと明沢川を遡行した時、右岸支流の巨大スラブ滝を見てそのデカさにたまげたものだ。

あの支流は中澤さん調べで「ソボネ沢」という名がついていることが判明した。あの時下から仰いだスラブ大滝は確かに登れそうに見えたし、その上流がどうなっているのか興味をそそられた。

こんな誰も知らない沢の調査に中澤さん、KC、くずみんが集まった。

明沢川駐車地点(7:15)-堰堤上入渓(9:25)-ソボネ沢出合(10:15)-稜線(13:05)-林道(15:35)-金目川駐車地点(16:10) 計8時間55分

一見ソボネ沢は他の沢と繋ぐのは難しいが、必殺車回しの術を使えば西を流れる金目川支流の荒沢と併せて遡下降が叶う。
面倒な車回しを終えて、明沢川林道を歩く。
お盆にここを歩いたときとは打って変わって、林道はだいぶ奥まで整地されており、藪漕ぎはかなり軽減されている。
それでも2kmくらいはぐちゃぐちゃの林道歩き。秋だから藪はだいぶマシになっていた。結果的にボサボサだった夏とタイムはあんま変わらず、入渓まで2時間程度かかった。

明沢川特有の巨大スラブ側壁
長い淵だが、泳ぎはなくて安心

明沢川に入れば、川内のような巨大スラブが発達した特異な渓相だ。

氷水に冷たい沢水に腰まで濡らして進む。ワイワイガヤガヤと遡行しているうちにいよいよソボネ沢が見えてきたぞ。

ソボネ沢の巨大スラブ大滝
右手のバンドからスタコラ登る

ソボネ沢出合いはとても貧相だが、頭上には見上げる高さのスラブ大滝がすでに見えている。滝を2.3登ると壮大なスラブ大滝の基部に辿り着いた。夏振りの対面だが、やはりすごい大きさだ! 見える範囲だけで80m以上はありそうな規模感。

大滝の下部は傾斜があるため、巻き気味に登るとフリクション抜群の緩傾斜なスラブ登攀だ。

すごい高度感だ!
滝頭に寄るとやや傾斜が立つ

途中で寛げるテラスがあり、日向ぼっこする。 下を振り返るとかなりの高度感がある。

KCとくずみんはスタスタ登って行ったしまった。

ゾウの足のようなスラブ

中澤さんとポムチムはスラブを散歩したりとゆっくり堪能する。

おそらくこの沢はアプローチの悪さからも、未遡行の沢と思われる。もう2度と訪れることもないだろうし、余すことなく堪能した。

滝上からの景色に満足げな中澤さん
スラブ大滝の上段は15m滝

スラブ大滝を登り終え、振り返れば圧巻の景色。さっきまでいた河原が豆粒見たく小さく見える。

スラブ大滝のすぐ上には、上段と言える優美な15m滝が落ちていて左のチムニーから登った。

スラブ大滝の先にも3段の美瀑や、10m級の滝が連続して非常に美しい連瀑となっている。ソボネ沢は素晴らしい沢だ! アプローチが面倒だが、東北在住の沢ヤはぜひ行って欲しい沢だね。

連瀑が終わると今度は綺麗なナメ床がお出迎え。それもかなり長く続き、開放的。 まさかこんなに素晴らしい沢だったとは、驚いた!

Co730から滝場ステージ2が始まる
ソボネ沢もう一つの白眉は3段のスラブ滝

Co730付近からはまた滝場が始まる。まずは3段のナメ滝だが、意外と登り難かった。 その先にはこの沢のもう一つの白眉たるスラブ滝が現れた。地理院地図にも滝記号があるところだ。

独特な形状と右岸の威圧的な側壁が圧倒的な景観を作り上げている。

要塞のような右岸側壁が目をひく
滝上はスリッピーなナメが続く

この美しいスラブ滝は中段を横断するようにして巻き登る。 滝上は東北情緒のあるナメが続いている。

ソボネ沢は「当たり沢」どころか、「名渓」と呼べる内容じゃないの。

最後は舗装路のような夢のナメ歩きを経て883のコルから尾根を乗越して荒沢を下降する。乗越しも高低差がめちゃくちゃ低くて藪漕ぎはゼロめちゃくちゃ楽な詰めだ!

荒沢源頭の巨大ナメ
こんな規模の大ナメがあるとは

荒沢の本流と出合うまでの枝沢は、ながーいナメ滝があったり、その規模に一同唖然!300mくらいはナメが続いただろうか?
ナメ滝の下降は傾斜があるため枝木を掴みながら慎重に降っていった。

荒沢本流も下降しやすい沢でたまに綺麗なナメや滝があってかなりいい雰囲気だ。遡行しても十分楽しめる内容だろう。

側壁が見応えのある小ゴルジュがあり、荒沢は下降沢として非常に楽しめた。下部のゴルジュはドボンしないように慎重にへつっていって、最後は堰堤から林道に抜けた。

今日は寒い寒い一日だったけど、こんなに楽しめる日帰り沢周遊にはなかなか出会えない。
ともかくソボネ沢も荒沢も秋にぴったりなとても素敵な沢だった。
こういう記録の無い沢との出合いは悦びをもたらしてくれる。付き合ってくれた3人の仲間に感謝、ありがとう!
今シーズン、行けてあと数回の沢 最後まで楽しみたい。

ヤマレコ記録

タグ: ,
関連記事