晩秋の滝探し 摩耶山・滝ノ俣沢の滝群
2024.11.3
いつもこの時期は紅葉×スラブというのが定番なんだが、今年は自分の体調不良もあって遠出ができない。
そういう時は一人で滝探しと決まっている。 今回は鶴岡市・摩耶山周辺にある知られざる滝たちを訪問した。
摩耶山は朝日連峰の外れにある標高1000m台の低山山地だが、急峻な山が連なっており侮れない。
この山域界隈は沢登りでもほとんど知られておらず、まだまだ開拓の余地がある地域である。
そんな摩耶山周辺を地形図を見ていると「滝ノ俣沢」と、気になる沢名を発見 右俣には滝マークがあり、航空写真からも滝の存在は間違いなさそう。 さてどんな滝があるのかな調査開始。
摩耶山の倉沢登山口へ向かう道から滝ノ俣沢沿いの林道へ入るが数100m進むと作業小屋があって終了。
広い池と作業小屋、広がるブナ林の風景がとても穏やかで、日々の喧騒を忘れさせてくれる。
作業小屋の前に車を停めて沢を歩く。時々イワナがぴゅっと泳ぐ、至って平凡な田舎の小川である。
すぐに右俣と左俣の出合い、まずは滝マークの右俣へ進む。特に何もない平凡な沢筋を歩くこと約30分、急なゴーロの先に巨大な滝が見えてきた。
上段8m 下段は50m近くあるだろう、岩盤を断つ非常に美しい滝だ。これほど見事な滝が待っていてくれるとは。 その日本刀のような切れ味のある姿から「刀滝」と命名しようと思う。
刀滝の上流も気になるが、この滝を高巻くとしたらかなり大変だし、そんな覚悟は持ってきていない。
存分に楽しんだら、引き返して左俣へ進む。
左俣はすぐにゴルジュっぽくなり、平凡な右俣とは対照的。すぐ終わるだろうと思ったが、進むにつれて、かなりちゃんとしたゴルジュとなってしまった。co300mの二俣は左へ進むとシャワークライミングやそれなりに緊張するところが3.4箇所、沢登り2級の内容。1時間ちょっと遡行すると前方に二つの滝が見えた。
co440で二俣になっていてどちらにも大滝がかかっている。右沢は出合いから10mの直登不可の滝があり、奥には2条の大滝が見える。左沢は大きな2段滝が見える。
右沢の大滝へ行くため、10m滝を灌木伝いに巻いていく。 現れた大滝は2段40mほどか 上段は2条になっている。線の細い滝だが、特徴的な姿をしている。筆を立てたような姿に見えたから「筆滝」と命名した。
左沢の滝は2段で50mぐらいはあるだろうか、非常に立派だ。まさかまさかこんな滝が眠っていたとは驚いた。
滝前の空間も広い、滝ノ俣沢3滝の中では一番寛げる滝だ。
しかし寒い、結構待っても、正面の尾根が遮ってしまい全く日が当たらない。 この滝が煌めいたらさぞ美しいのだが…残念
日が当たらなかったので「日不見(ヒミズ)の滝」と名付けた。
こんな感じで滝ノ俣沢には右俣に「刀滝」、左俣には「筆滝」「日不見の滝」と個性的であり規模も大きい滝がある滝の宝庫なのでした。「刀滝」へはゴーロ歩き30分ほどで簡単に見れるため紅葉の時期には特におすすめ。
左俣は滝見感覚ではかなり困難、沢登り経験が必須 これからも知られざる滝たちとの出会いを楽しみにしている。