甲斐駒ヶ岳 黒戸尾根
2019/2.10
登山に行きたいと思った。
どこが良いか、一番行ってみたいのは新潟の山だが天気が悪い。天気が良さそうなのは南アルプスだった。
南アルプスでノーマルタイヤ車で登山口まで行けそうな山。甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根だ!
となって仕事を22時過ぎに上がり、寝ずに竹宇駒ヶ岳神社へ向かった。
黒戸尾根といえば、日本三大急登の一つでその中でも最もシンドイとされるコースだ 往復20km 累積高低差は2700mという。登山をよく知らない私でもなんとなくシンドそうなのは想像がつく、もちろん泊まり装備などないので日帰りだ 夜中の3時半に登山開始。真っ暗闇の中一人で山を歩くが、恐怖は微塵もない。
歩き始めて3時間以上経った頃にようやく五合目付近にきて目標の甲斐駒ヶ岳が見えた。こりゃあまだまだ大変だ。
七条小屋に着いたのがスタートして4時間ぐらいたった時で、ここで一休み。ペットボトルで持ってきた水が凍ってしまい飲み水が相当少なくなってしまったが、あまり飲まんだろうし、もうちょいだし行くぞ〜と呑気なもんだった…しかし冬の黒戸尾根においては、七条小屋から先は相当の覚悟が必要だった。
結果的には無事だったものの私のような山2ヶ月目という素人が冬に来る山ではなかったと思う。 上の写真の細い尾根から先はかなりの危険度、1箇所マジで垂直で15mほどの雪壁が現れて判断に迷った。夏は鎖があるようだが冬では雪に覆われているところらしい。先行パーティはザイルを出して越えていった、私は何もないのでピッケルを振るいながらなんとか登りきった。後で調べると死亡事故が多い箇所で、滑落すると500m止まらないらしい。
雪壁さえ超えれば、あとは普通。 しかし左右とも滑落したらアウトな場面がしばらく続く。
黒戸尾根の代名詞らしい剣。
左側には鳳凰山と富士山が終始見守ってくれている。南アルプスの積雪がどの程度か知らないが、2月でこれは異常に少ないのではと思う。
頂上が近づくが、どうにも綺麗だと思えない。雪が少なく、岩や木が露出しているためだろうか。「美しい景色」ではなかった。
ご覧の通り、ごちゃごちゃ感が否めない。
しかしその奥には白峰三山が圧倒的な存在感で佇んでいる。特に北岳はすごい迫力だった。
この急登を上がれば頂上はもうすぐだろうと、頑張った。
登山開始から6時間半ぐらいでようやく登頂。
突風と高曇りでさえないが、周囲の山が本当によく見えた。
疲れで涙が出てきた。
白根三山の勇姿
素晴らしい眺望
圧巻だったのは仙丈ケ岳と中央アルプス。天気がよければ最高の景色だったに違いない。
仙丈ヶ岳はいつか必ず登ろうと思わせる素晴らしい山容。ひとしきり撮ったら即下山開始。
前のパーティはロープを出して下っていた。
そして難関の15m垂直は、ピッケルとアイゼンを使いクライムダウンの感じで下ったが、もともとこういうのは苦手なんですごく怖い思いをした。黒戸尾根は下山で本当の地獄を見ます こんなにシンドイ登山、というか活動はなかなかなく 寝ないでよく行けたもんだと思う。
もう二度と行きたくないと思った、限界ギリギリの日帰り登山でした。