夏、川浦① 海ノ溝洞
2019.8.3
長かった梅雨の終わりが発表され、いよいよ夏本番。そして梅雨が明けたと思ったら全国的に連日38度など40度に迫る酷暑となった。
暑くて暑くて、僕は海に行きたくなった。
海のない岐阜県にあるあの海に。
その海は関東からではアクセスが悪すぎてなかなかいけるような土地ではない。
長野にいる今なら半分の運転で済む、行くなら今しない!!
パンダさんとも調整がつき、いよいよ海水浴の始まり。
川浦谷は奥美濃を代表する大渓谷、橋から見下ろすと凄まじいゴルジュを形成している。さて今回はこの川浦谷の支流である「海ノ溝洞(うのみぞぼら、うみのみぞぼら)」が我々のターゲットである。
海ノ溝洞は、下流部に強烈なゴルジュ帯を宿し、ゴルジャーな沢ヤの一聖地として知られる。もちろん我々に正面突破は難しいため下降を選択した。
林道が並走しており下降に最適、ゴルジュを過ぎたところのガレから適当に入渓すると豊かな水量が奔流する。
しばらくは緑豊かな清流を下る。
至って穏やかな表情の溪。小鳥の囀りとともに溪に日が射す。
そして、突如 正面の視界が遮られ、異界への入り口。水路を激流が奔走し油断したらすぐに掬われてしまう。
まだゴルジュは暗く、異様な雰囲気。しかし我々はこの雰囲気を楽しむかのように異様であればあるほど興奮する。そういうタイプなのだ。
下流側は少し開けていて20mほどの滝が左岸より注ぐ。人工的に作られたかのような配置。ここから先、川浦谷に注ぐまでずっと奇跡の渓相は続く。
一際怪しい水路区間、仄暗い岩盤を深い深い青がゴポゴポと流れる。
底の岩盤なのか水質なのか、やたらと青い水。こんなに青いのはかつて見たことがない。
このすぐ淵の先には、海ノ溝洞のシンボルであるチョックストーンとその上の3m激流滝が控える。
激流滝は飛び込みといった類の可能性を感じないほどに渦巻き恐ろしい(強者は飛び込み、チョックストーンを潜るというが…)
しかしそこはうまい具合に左岸に棚が続いており、少し上に太い木が生えている。15mほどの空中懸垂で容易に通過が可能となる。
理解不能な形状の岩盤に巨大な岩が突き刺さる。その上には巨大な流木が引っかかり少しそれが残念に感じる。
遡行突破では核心となる箇所のようだ。
岩の下からブクブクと大量の気泡が湧き実に不気味、しかし我々はこんな奇異光景がたまらなく好きなのだ、人智を超越した何かの力を感じる。
チョックストーンの下流は暖かい箇所。この日は泳ぎっぱなしでも寒さはあまり感じなかった。
終始美しい。
この下流も大きく開けている。そこは滝の落ち口。
海ノ溝洞において最大規模の滝、落差は4、5m程度だが 勢いが半端ではない。激流とはこのこと。壺も広大だが泡がブワァと湧き迫力満点!
ここは右岸から飛び込み、最高に爽快!!
陽はほぼ翳ってしまったがその青い滝壺に心酔。陽がさしたらどんな光景なのだろうか…?
右っ側には少し陽が当たる、とてもクリアな青。ここは神域の空間!
まだまだ下流側も美しいです、神秘的な廊下が現れる。
廊下の手前は段になっており、激流。飛び込むのを躊躇するが、飛び込む以外に選択肢はなくザックから着水するように背から飛び込む。
意外と問題なくパンダさんも続く。パンダさんは足がついたらしい(笑)
廊下を泳げば日々の疲れなど忘れてしまう。
なんというかもう絵本の世界、地獄の渓相かと思ったらファンタジー映画のような明るい別天地。めくるめく展開、全てが完璧に完結する。
どこまでも泳ぎ?流される。
まじで全てが見どころです。
様々な渓谷を歩き、写してきたパンダさんもこのような谷はかつて経験がないという。
サイコーです!!
夢も覚める頃が近ずく。
ここで右岸にフィックスしておいたロープと伝う。
川浦本谷との出会い、夢の終わりすらも絶景なのだ。
本谷の出会い前後も壮絶な光景。
こうして短い夢の探索は終わった。
あまり文で感想を書いても意味がないと思う、気になったらいってみてほしい。遡行は篤志家向けであるが、下降に関しては、水量と天気と相談すればさして困難となるところはない ただし、大水量であるし水温も平時は恐ろしく低い、それなりの経験者に限ると考えられる。
パンダさんありがとうございました!温めていた計画を最高の形にできました!
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