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2024-06-15

蛇谷支流 親谷~小親谷左俣

2024.6.15

蛇谷にはとっても美しい支流の沢が何本も流れており、かねておりポムチムの興味を惹いていた流域だ。

白山ホワイトロードの縛りのせいでなかなか気兼ねなく来れるところじゃないけど、ここにはずっといきたい沢が何本もある。

けるかすを引っ掛けてようやくこの蛇谷の沢へ行く機会を得た。今回は蛇谷支流の中でも最もポピュラーな親谷(どすだに・おやだに)と小親谷(こやだに)を巡る沢歩きを楽しんだ。

富山まで来てもらって相乗りし白山へ向かった。富山から白山はそんなに遠くなくて、2時間くらいだった。 白山ホワイトロードは前日くらいに開通したばっかりだが、そんなに賑わっていない。道中は運転に集中できないくらい美しい景色が続く。

車を15分も走らせると、親谷の湯に到着。 ここで車を停めて準備する。

親谷の記録を見ていると、中宮温泉に停め、早朝から白山ホワイトロードを親谷の湯まで歩いて周回するっぽいのだが、白山ホワイトロードは徒歩禁止なので途中で管理車輌に見つかってしまうと強制送還されるようだ。

知り合いも昨年強制送還されてしまい、結局親谷へ行けなかったと聞いた。

でも別にそんなことしなくても隣の小親谷を下降すれば日帰りショート周回ができるし、行程も全然短いし、道路上を歩かないから強制送還もない。どう考えても周回した方がいいと思っていた。

デメリットは、ホワイトロードを通る金がかかることと、閉門時間(18時閉門)に間に合わないとホワイトロード内に取り残されてしまうこと。

けるかすは入渓前に親谷の湯にわざわざ浸かっている。これから沢に入るのに!?

自分は靴を脱いで足だけ少し温めた。

姥ヶ滝を見ながら親谷の湯に浸かるけるかす
美しい姥ヶ滝

親谷の湯から目の前に見える姥ヶ滝 これこそが親谷のシンボルにして門番 日本の滝百選にも選ばれており雄大な分岐爆である。こんなに美しい滝から始まる親谷に期待が高まる。

温泉から蛇谷へ降りて、滝へ近づき左岸側から登っていく。

半分より登った辺りから明らかに傾斜が強くなり、ロープを出す。ボロボロの残置支点が序盤に数個あるが、滝身によるところからは残置なし、支点も取りづらい。 フラットなところでアングルを捩じ込み右上し一気に灌木を目指す。ポムチムには結構緊張した登攀だった。

後続のけるかすを迎え、先を見るともうそこは絶世の美渓が広がっている。

さあ、待ちに待った蛇谷流域の沢だ!

姥ヶ滝を登攀する
姥ヶ滝上の極上の渓相

そこは天国のようなナメが続くところ、もう最近は美ナメばかり見ていて最高

それは会越で見るような雪国の沢そのもので、初めての流域なのに慣れ親しんだ沢に戻ってきたような感覚になる。

雪国の沢そのもの
ナメは言わずもがな、極上

姥ヶ滝上から極上のナメ歩きが400m程度続き、この区間だけでも満足度が高い。

また天気がいいこと! 

天気も最高だ
8m滝

ナメ歩きが終わるとゴーロや小滝など平凡ながらも随所に美しいポイントがある。

沢を塞ぐ8m滝は容易に直登可能だ。

Co900付近からはしばらく伏流が続く、まさかこのまま伏流したまま終わってしまうのではないかと思ったが、Co1000付近から水流が復活。いくつか美しいナメが出迎えてくれた。

伏流の先もナメが続く
小親谷は懸垂下降の連続

今回のプランではCo1040の左岸支流から乗越して小親谷へ降りる算段。乗越に使った左岸支流はかなり詰めに向いた沢であった。面倒な滝はほとんどなく、尾根近くまで沢形が続き、藪漕ぎもなし。

適当に小親谷へ向かって下降する、最後の方が草付きスラブでちょっと面倒だったと記憶している。

小親谷はその名の通り親谷をミニサイズにしたような沢だった。しかし結構滝が多い沢で、クライムダウンも難しいサイズの滝が頻出する。2.3回懸垂下降して降っていった。

Co830で小親谷右俣が出合う。この右俣にはシブ&コージさんの記録や関西蛍雪会の記録で詳述されていて、逆三角形スラブ滝など見どころの多い沢のようだ。

時間も早いしどれ、ちょっと覗きに行こうとけるかすの返事も聞かずに右俣に入る。

中俣の大滝
右俣の逆三角形スラブ

右俣へ入るとすぐに中俣が20m大滝で出会う。なかなか見事だ、そして右俣には逆三角形スラブが現れる。

まさに逆三角形のスラブで、白くて美しい 記録によると高さも70m程度あるようだ。

快適なスラブ
2ピッチ目はけるかすが担当

逆三角形スラブの基部あたりはつい最近まで雪渓があった痕跡の藁が散らばっている。今年は異常なまでに雪渓が少なく、豪雪の白山山域にも関わらず6月中旬ですでに雪渓はほとんどなくなっている。

逆三角形スラブは快適に登れそうなので、試登しようとけるかすに提案すると、なんとけるかすはとても嫌そうだ。普段仙台にいる私は、もうここまで来れる機会はそうないと力説すると、熱意を汲み取ってくれたのか仕方なく、付き合ってくれるようだ。

逆三角形スラブは快適な2ピッチで抜けると先には今にも崩れそうな雪渓、沢には崩壊したスノーブロックが埋め尽くしている。この先に80m大滝があるようで、それを登って帰ろうかと思っていたがけるかすはこの状態の悪い雪渓を一瞥し、これ以上は進まないと言う。

ポムチムは雪渓をくぐって先を偵察するが、滝前は狭くなっていて谷幅いっぱいにスノーブロックが埋め尽くしていてビレイするスペースもない。けるかすの意見を聞き、左岸樹林から引き返した。

14:30 には親谷の湯駐車場まで戻って来れて、大充実のショート沢観光が楽しめた。

けるかす今回もありがとう!  ヤマレコ記録はこちら

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