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2024-08-03

朝日連峰 荒川・東俣沢

2024.8.3-4

朝日連峰・荒川 全国的にも有数の水質で知られる川の源流。そこは花崗岩で固められた深い谷に、一切の不純物を許さない碧々とした清水が奔流する至上の名渓。 ポムチムは沢登りを始めた2019年からずっとこの荒川に憧れていた。

今回はこの荒川の中でも中俣沢と二分し盟主大朝日岳に詰め上がる東俣沢に葛見さわさん(以下くずみん)と訪問。

くずみんのYouTubeもご覧ください!!!

この記事を書いている今、荒川を訪れてから1年近くの時間が経っているが、今でも鮮明に覚えている渓谷美。本当に素晴らしい沢だった。

吊り橋から始まる
入渓して最初の大釜
水量豊富な大渓谷

針生平から登山道を歩く。途中にある3つの吊橋は斜めっていたり、丸太一本だったりでめっちゃ怖い。

綺麗なぶな森の中を進み、大玉沢出合から荒川に入渓。

早速途中の大釜が大迫力だ、水量豊富で澄み切った水がとても美しい。

長い淵は泳ぐ
花崗岩が発達し出した
なんと美しい!

右岸からナベクラ沢が大連瀑となって注ぐ先は長いトロ場。左から巻けそうだけどここは泳いで進む。

水がつめたぁぁい!!この先はしばらくゴーロが続きアブがうるさい。左岸からの大滞沢が近づくとそれまでのゴーロから花崗岩の超絶美渓へと移ろっていく。

ゴルジュ地形に
5連滝もご機嫌
透明度抜群

左岸から大滝で注ぐ滝沢出合では3mの5連滝がかかっており、谷の美しさにさらに磨きがかかっていく。

そして何より水の透明度が半端ない! 屋久島の源流部に匹敵する美しさだよ。

岩棚をへつる
ゴルジュ地形が
終始渓谷美を堪能

谷はさらに深さを増し、堅固な花崗岩ゴルジュ地形がずっと続く。 この白く眩しい花崗岩と透明度の高い沢水がえも言えない渓谷風景を造り出している。

大側壁と荒川
正面には100m超えの枝沢滝が注ぐ
最高の遡行感度

沢の屈曲部では200mはあろうかという大側壁に囲まれて、まさに大渓谷! それでいて通過に困るところは少なく、快調すぎる。土壇場で決めた荒川だったけど来てよかった〜

毛無沢が右岸から出合うが、少し先に雪渓が詰まっているのが見える。 この沢が朝日最難関の沢らしいが、正直行きたい気持ちは湧かない。まぁ、行きたくても行けないけどね。

陽が射す曲滝
岩棚から撮影
曲滝上の釜もGREEN

さあさ、待ってました。満を持しての曲滝登場。 曲滝は2段30m 荒川で最初の見せ場だ。荒川の豊富な水量が圧縮されたゴルジュの中を轟音と共に落ちる名瀑である。

今日の曲滝、これまで写真で見ていたものよりも水量が多くて増水気味であることを初めて知る。それでも一切濁らず、むしろ透明度は高くなっている気がする。

そんな大迫力の曲滝前で休憩していると光が差し込み、至上最高に美しい曲滝を拝むことができた。曲滝は左壁のズルズルを巻いていく。岩棚の段になっているところは古い残置ロープを掘り出して登る。

ここは残置があっても結構悪く、最初からロープを出して登ったほうがいい。

曲滝上の釜もエメラルドグリーンでめちゃくちゃ綺麗だ。

Beautiful!ARAKAWA!
この透明度よ
中弛みなくゴルジュ〜

なおもゴルジュ地形は続くが、時々泳いだりして快適遡行。いやぁ本当に綺麗だな〜

くずみんもニコニコが収まらない様子。

難しいゴルジュはない
綾滝見えたね
くずみん発狂!

行きつまることなくゴルジュ地形を進むと、いよいよ綾滝。増水気味で心配だった綾滝は凄まじい水流、だが問題なく潜れた!むしろ水量が多く勢いがあることで滝裏のクリアランスが大きくなっているすらあり得る。

くずみんも奇声をあげて滝裏を潜り抜けて歓喜!昇天of昇天!

透明度はどんどん上がる!
このゴルジュは進めない
右岸の悪い岩棚登攀

綾滝先の登れないゴルジュの巻きでは悪い右岸側壁の登攀。ここは登攀力カンストの葛見さわさんリード。プア(てかほぼノーピン)な支点でぬける…すごいの一言。逆層でプアプロのままハイステップが核心。そのまま2p目はトラバースで抜けて核心の一つを無事通過した。

奥にSB 西俣沢出合
ハイライトの2段20m大滝
大滝を巻き終えて

西俣沢出合には大きなスノーブロックが残っていて足早に通過。 西俣沢はいきなり連瀑になっていてとても興味深い。 いつか行ってみたい。

そしてすぐの2段20m大滝、これがカッコ良すぎる! ムラムラしたくずみんは突然泳ぎ出し、狂喜乱舞!
ここの大滝は左岸の大高巻き、それなりに濃い藪だがこういうのは割と慣れてて特に問題なし。

露岩と灌木を使って滝上のルンゼから懸垂下降2ピッチで沢に降り立つ。

中俣沢出合 こちらもいつかは
ヒノキモッコ沢出合で幕営
焚き火もご機嫌!!

この先はゴルジュが一気に開けて中俣沢出合である。 幕営地とされることが多い中俣沢出合だが、大きめの岩がゴロゴロしていてテン場にするのもちょっと面倒だったので東俣沢を少し進む。

ヒノキモッコ沢出合あたりは一段高いところにいい感じの川原がありここで本日は終了。

くずみんが竿を持って出かけるが当たり前のように釣果ゼロ。ただアタリはあった模様(ほんまか!?)。

少なめの酒でチビチビやって、心ゆくまで荒川での焚き火を楽しんだ。

快適な東俣沢遡行
3段50m級の大滝出現
楽しいシャワークライミング

翌日、本格的な東俣沢遡行から始まる。次から次へと滝が出てくるが概ね快適に登れるし、巻もそんなに悪くない。シンプルに楽しい沢登りである。

Co1100では悪相の支流が左岸から(見た目では正面から)出合う。はるか遠くから見えていた絶望的な連瀑はこの支流のものでホッとする。本流は90度屈曲するといきなり現れる3段50m級大滝が現れてたまげた。 左岸の細尾根から回り込むように高巻く。

大滑が出てきた
くずみんも嬉しそうだよ
本当に滝が多い!

なおも滝場は次から次へ続き、これらシャワークライミングで快適に進むと東俣沢後半を告げる大ナメが展開する。まだ翳っているのが残念だがスバライしいね。

ナメの後も沢山の滝があるがロープは使わずにガシガシ登っていけるのが嬉しい。

源頭になっても滝が続く
灼熱の下山路
旅の終わりも吊橋だ

徐々に水量も減り出し、周りの地形も小さくなってきた。どうやらこの沢旅の終わりも近いようだ。

いよいよボサくなってきて水流は藪に消えていった。 マツムシソウの咲き乱れる斜面を踏ん張って登り切ると、目の前に大朝日避難小屋 周囲はガスガスで何も見えないけど結構な数の登山者がいた。ここから大朝日まではすぐそこだ。

トンボの舞う大朝日山頂でくずみんとグータッチ。 あとは長い長い下山が待っている…

平岩山経由のあまりにも長い灼熱下山に2人とも熱中症寸前。ポムチムは身動きが取れないほどの脱水状態に陥ったが塩タブと担いできた水をがぶ飲みして休み休みで下山する。
そんなこんなで、大朝日岳からの下山になんと6時間以上もかかった。
下山中の稜線から正面に見る西俣沢と毛無沢にはどデカいブロック雪渓が複数。毛無沢右俣の連瀑がすごい迫力だった。

降りきった先の大玉沢で全身使ってクールダウン。 蘇った!!

あとは行きと同じく、スリリング吊橋を渡って下山完了。 

ずっと行きたかった荒川だったが、やはり素晴らしい沢で期待値マックスでもそれを上回るほどの感動があった。荒川は昔から多くの人に遡行されている沢だが、その美しさに少しの疵もなく、ポムチムにとって非常に印象深い沢経験になった。

くずみんありがとうございます! これからも朝日の沢に行こうね

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