奥利根沢旅〜三ツ石沢・下津川〜②
今回の山行で中澤さんはヘッデンを忘れており、ヘッデンを持っているポムチムに朝の焚き火をお願いされたが、どうにも眠くて眠くて、中澤さんにヘッデンをポイと渡して「頼む」と一言残し二度寝をかました。
その後、しばらく中澤さんは不機嫌でろくに口も聞いてくれなかった。ゴメン…
10/14 (晴れ/6時間)
C2(6:30)-三ツ石沢出合(7:30)-小沢出合(9:35)-ネコブ沢出合(10:45)-取水堰堤(11:50)-十字峡親水公園(12:30)
小沢(南沢)と下津川本谷が出合うとまさに大渓谷の様相となる。両岸ともさながらバーミヤンの石仏のような迫力のある岩盤が続く。
巨岩帯が続き、他の越後の沢とはだいぶ雰囲気が異なる。 やがて顕著なゴルジュ帯が現れ、とても水線通しでの下降は難しい。 右岸の樹林から巻きつつ、最後は懸垂下降でゴルジュの入り口に降り立った。
これは「ホラノ貝ゴルジュ」と呼ばれるようで、東沢渓谷のそれとまんま同じ名前だ。
たしかに、堅固な巨大岩盤をうねるように迸り、法螺貝と呼ばれることに納得する。 にしてもすごいゴルジュ!長さは150mくらいだろうが、内部には無数の滝が連続している。 下津川にこんな大水量で迫力のあるゴルジュがあるなんて知らなかった。
ゴルジュ突破大好きな諸兄、下津川のゴルジュはいかがですか?
ホラノ貝ゴルジュの下流はとても無機質で寒々しい雰囲気がある。 いわゆる越後のスラブではなく、ゴツゴツの岩だ 岩の色も青白い感じで異質。
ただ、大岩の2条滝以外には特に滝らしい滝もなく、その異様な景観をしっかりと楽しめた。
陽が当たればまた違う雰囲気なんだろうが、ちょっと不安になるような景色が続く。
でも特にこれといって、難所もなくゴルジュを通過できそうだ。
と思っていたら、ゴルジュ帯の入り口はものすごい抉れた空間に落ちる魚止滝が出現。クライムダウンは厳しそうだなと思っていたが、中澤さんはおもむろにザックを投げ込み、迷いなくクライムダウンしていく。
しかし、投げ込んだザックは水流に乗って勢いよく流されてしまった。 中澤さんは落ちるように降ってザックに追いついて回収できた。 ザックが流されていたらゾッとしたが、一安心。
魚止滝は先ほどのホラノ貝に負けないほどの異形地形。漆黒の空間に轟音と水飛沫だけが充満している。
下津川本谷は記録も少なく、どんな沢なのか全く調べていなかったが、やはり他の越後の沢とは全く違う雰囲気かなり強烈な印象を受けた。
相変わらず険しい雰囲気だが、意外と滝はなく見掛け倒し。しかしすごい迫力がある沢だな〜
沢の規模で言ったら下津川は越後三大渓流に入るんじゃないか?
長いこと歩いてようやくゴルジュの雰囲気は落ち着いてきた。 6m滝とその先の長い瀞を越えると完全に穏やかな沢となった。
とてつもなく長い河原歩きを続け、お昼前には旅の終わりを告げる取水堰堤に到着。 3km弱の林道歩きは、中澤さんのスキー話を聞きながらあっという間に終わり車をデポした十字峡に到着。
力強く握手して、最高の3日間の沢旅を終えた。
奥利根は、山越えと遡下降という原始的なスタイルがよく似合う山域だ。今回は100点満点の内容で、過去の山行の中でもベストバウトと言える。 最近は既定のルートをトレースすることが多いが、こう言ったルートを模索して個性の光るそして山の魅力を惜しげも無く堪能できる活動を増やしていきたい。
中澤さん3日間本当にありがとう!また奥利根に行こう〜!





























