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2020-08-12

越後裏三山 北ノ又川本流②

前回からの続きです。

8/11

今日は中ノ岳避難小屋まで詰める予定 雪渓の状態など、かなり不安が多いが果たして…

朝は焚き火をして、鴨肉を焼いて蕎麦を作った かなり美味い! 鴨肉は今後のスタンダードになりそうだ。

定番のソーセージ

シッカイ沢出合いから先はガラッと渓相が変わり、両岸ともに岩壁が発達し荘厳な景色となる。

ここからが大ヒカバ沢出合いまでは北ノ又川のハイライトであり、最も美しい区間。

いきなり3段の滝が現れ、左から越えてゆく 上段では荷揚げして越えていった。

行動開始早々に美しい景色が現れ、歩が進まない…

すぐ上も岩棚になっている これまでに見たことのないような地形 岩は乾いて非常に歩きやすい。

花崗岩(?)の宮殿

朝早いので完全に日陰の中なのが少々残念だが、これまでにないスケール感に腰を抜かす!

円形劇場と呼ばれているのはここだろうか? 巨大な淵が形成され90度直角に曲がっている。

驚きの白さにM氏もハイテンションだ。 ここの区間は例年雪渓が多くあるようで、年によっては30m近い厚みの雪渓が塞ぎ

溶けないまま冬を迎えるのだそうだ。 今年は寡雪+多雨でほとんどの雪渓が消滅していた。ありがたや〜

ずっとここにいたい…(笑)

水路の中に入るも難しいところはなく、快適に進めた ここに住みたい…

ブロック状に発達した岩盤、いや〜素晴らしい 凄い(語彙力)

右から巻いた8m滝 スノーブロックが少々残っていた とりあえず厄介な雪渓がなくてホッとした。

なんというか、岩がブロック状で平らなのでめちゃくちゃ歩きやすい…  見事な造形を並べた美術館にいるようだった。

直線と直角を混ぜたように沢ができている。 すごく、不思議(語彙力)

淵を少し泳いで、左のぬめったバンドから越えた5m+3m滝

大ヒカバ沢出合いまでではこの淵が最後の泳ぎだったかな、もしかしたら足がついた深さだったかもしれない。

淵の先にある15m直瀑 右岸のガレルンゼから巻く 50mほど登って樹林帯に入り、なんとなくの踏み跡を進んでいくといかにもなところがあり巨木を支点に15m懸垂した。

大ヒカバ沢を過ぎると途端に明るく開けた渓相になりと〜っても気持ちが良い!!

最高だ!!

ここからシッカイ倉沢出合いまでは北ノ又川で一番の癒しゾーンスタート うっとりしすぎて進まない進まない

ここは天国でしょうか!?

悪場など一つもなく、ただただ美しい景色に酔いしれる くぅ〜っ!!

ひときわ美しい壺では一人飛び込み大会、前転しながら飛び込んだが、運動神経が悪いので成功しなかった。

シッカイ倉沢出合い付近までは底抜けに明るく開けた感じ、出合い周辺は河原になっていて幕営適地が多い。

駆け足でここまで来てしまうのは勿体無いというか、初日にここまで来れる沢ヤはすごいや…

シッカイ倉沢出合いから先、本流は滝沢と名を変えて中ノ岳へ向かっていく。

このあたりは例年雪渓の下 奥の屈曲点には崩れたスノーブロックが見えている。

スノーブロックのある屈曲点から先は1mに満たない極狭ゴルジュとなっている。ここは予想外でほぼ全ての記録で雪渓の下にある区間だと思う。

水は恐ろしく澄んでいて、何より冷たい…

お前いくべ?とM氏を見ると、やや不服そうにロープをつけて泳ぎだした(笑)

極狭部は思ったよりも水流が強くて、意外と油断ならない 突っ張って越えてゆく。

その先もCS5mがあり荷揚げして越えた。

再び屈曲点を超えると、いよいよ大きな雪渓が現れズタズタでとても上を歩くことはできない。

写真中央の狭窄部の先は三俣になっていて進路は一番右のアサズキグラ沢

ここは小さく巻くのも不可能な地形なので、左岸斜面を樹林帯まで登り、尾根を藪漕ぎした。結構ハードだったが、うまい具合に懸垂なしで降りれる地点に至ることができた。 降り立つと雪渓は無くなっていて心底ホッとした。

というのも束の間、威圧的な岩盤の先には2段30m級の大滝が出現!! 滝の前は気持ちが良い棚になっていたのでお昼ご飯にした(笑)

キンキンの水で締めたそうめんはかなりうまかった!

飯を食ったはいいが、これはどうするか。。 M氏は左岸巻きを提言したが、どうも下部の草つきが悪く見える。

右岸巻は樹林帯が近いので、右岸から巻こうといってそうしたが ここは左岸巻が正解だったかも(笑)

2段目の落ち口の高さまで露岩を登り、雑草と灌木を頼りにトラバースするが、距離が長い。

沢は右曲しているので右岸巻は距離が長くなるのは必然、これはミスったか!!と一人反省したが、もう戻れず永遠にトラバースしていく。

幸い手頃な灌木が茂っていて危険度は低かった。

30m滝を越えた地点で一度斜面を懸垂するが、その先にも3段の滝があるようで、登り返してさらに30mほど右岸巻を進める。

改めて懸垂(30m)すると、平和地帯であり先には安定した氷河のような雪渓が冷気を放っていた。

この雪渓は永久に消えないようなめちゃめちゃ分厚い雪渓で、緊張感はない。 割と近くにクマが一匹いた。

co1660付近で雪渓は消えて最後の二俣になる、ここは右に行かないとえらいことになるらしい。

しかし右沢は流水がなく、詰めのために雪渓から滴る水を20分かけてくんだ。3Lほど集まったところで最後の詰めに入った。

右沢は永遠にルンゼが続き、危険も少ないのだが疲労困憊で2人ともバテバテ ついでに雨も降り出し雷も鳴り出す。

最後は呻きながら中ノ岳の登山道に飛び出した。

山頂までは1分だった。

残念ながら、山頂は雨雲の中で眺めは皆無だった。

お疲れ〜!と互いを労い、中ノ岳避難小屋に駆け込んだ。

時刻は17:30だった。 この小屋は綺麗でauは二本入る。

8/12

6:00 大雨が降る中、下山を開始 越後駒までもかなり長い距離がある。雨はかなり強く、時折雷鳴が聞こえる中の尾根歩きは怖い…

檜廊下まではかなり手入れが薄く、滑りやすい スリップしたら奈落の底のようなところもあり こんな天気では気が抜けない。。

そこそこ順調に9:00越後駒ヶ岳に到着 景色はもちろん全く見えない!!

駒の小屋で袋ラーメンをすすったら銀山平まで下る。

大雨の影響でどろっどろ! 雲が切れた時に白石沢スラブが見えて喜んだ。

石抱橋までいくと白銀の湯まで面倒なので、白沢出合いから北ノ又川を渡渉する、増水しておらずサクッと渡れたが、2日前より明らかにアブが活性化していた。

これでも少ない方なんだろうと思うが、最後の最後にいらないおまけつき。

13:00前に車に無事到着!

北ノ又川は1年半の沢歴の集大成というか、総復習のような感じでこれまでで最も達成感のある沢旅となった。

中ノ岳〜越後駒の縦走は生憎の天気で残念だったが、沢を始めてから仲間として活動してきたM氏と無事に成し遂げられて本当に良かった。

M氏お疲れ様でした!

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