厳冬の羽後朝日岳
2021.1.23-24
マイナー12名山は2002年4月号の「岳人」にて3人の登山家(沢登りのエキスパート)によって日本各地の山塊のから選ばれた12座。簡単に言うと、「見栄えが良く、登頂しにくい藪山」だ。
選定者達の忖度か、趣味か、12座のうち7座が越後山脈近辺から選ばれているのは置いておいて この12座は間違いなく山域の盟主たる風格を備え、登山者たちの憧れと言える山々が揃っている。
羽後朝日岳は北東北で唯一のマイナー12名山であり、和賀山塊においては和賀岳と双対をなす名山である。
今回、奇跡的な天気に恵まれて厳冬期の羽後朝日岳へ行くことができた。
貝沢集落の除雪終了点に車を置きしばらくは林道ラッセル。今回、中澤さんwakaさんはスキー、私はスノーシューM氏はワカンというまとまりのない混成PTとなった。
スキーは沈まない林道や樹林帯でもスノーシュー、ワカンはきついラッセルとなり久しぶりのちゃんとした登山は非常に苦しいものとなった。
沢尻岳の登山道と合流し、疎林になってきた頃 和賀の真っ白な主稜線が大きく見え始め、今日という日が素晴らしい一日となることを確信する。
ちなみに泊まりの道具は、沢尻山山頂直下60mほどの樹林帯にデポした。
沢尻岳の頂に着けば、純白に染まった和賀山塊が我々を歓迎するように出迎えてくれた。
高下岳(手前)、奥には雲のベールを纏った盟主和賀岳の姿が見えた。それは何人も寄せ付けぬほどはるか遠くに光り輝いていた。
沢尻山から羽後朝日岳へは大荒沢岳というピークを越さなければならず、近いようで結構な距離がある。
まずはコルまで一旦降り、大荒沢岳へ向かう。
真っ白に染まった珊瑚のような霧氷をかき分けてコルに下ってゆく。
正面の大荒沢岳も十分な貫禄があり、羽後朝日の前座には勿体無く感じるほどに均整のとれたピークである。
中澤さんはスキーで滑降し、いち早く大荒沢岳に取り付いていた。
白く輝く羽後朝日岳の丸っこい山容がまるでデイダラボッチの頭のようで、美しいながらもユーモラスで見飽きない姿だった。
ここまでくれば、ワカンでも沈まずに快適に進むことができる。
霧氷を楽しみながら歩く贅沢、もうすっかり山の楽しさを忘れてしまっていたが、今は眼に映る全てのものが愛おしい。
ひと登り終えた先はニセピークで大荒沢岳にはあと一息だ。背後の羽後朝日岳はなかなかに近づいてこない。
高下岳、和賀岳を望む
大荒沢岳山頂へのひと登り。
和賀岳の美しさたるや… 秋に大鷲倉沢から登ったが、非常に秀逸な山であった。いつの日か積雪期に訪れてみたい。
大荒沢岳ピークに到着、とうとう羽後朝日岳が眼前に迫ってきた。
なかざwakaを後ろから見守る羽後朝日岳 この二人からの声がかからなければ今回自分は来ていなかっただろう。
何時も忘れてはいけないのは感謝だろうと感じる、私はその礼という訳ではないが同行者と山の映った姿を記録として残してゆきたい。
さぁ、もうひと登りだよ! 羽後朝日!
M氏は撮影に余念がない、1youtuberとして板についてきたようだ。
最後のきつい登りも霧氷の優しいお出迎え
中澤さんは息を切らしながらも山座同定を止めることはない、この人はきっと山座同定をするために生まれてきたのかもしれない…
ついにきた、羽後朝日岳山頂へのへのビクトリーロード
と、その前に装備を整えるの図
モッコ岳、遠く早池峰を背に僅かな高低差を詰めてゆく。
北を見れば、岩手山、八幡平、秋田駒が一望 あぁなんて良い日だろう
羽後朝日岳に登頂!! 実は厳冬期に登頂した記録がwebにほとんどない。
天気のおかげかさして危険も苦労もなく登頂することができた。ありがとう
テン場までの帰りも長いので少し休んだら羽後朝日を後にする。
スキー勢は気持ちよく滑り降りていった。
翌日、モッコ岳へ登頂したが、ガスと強風で何も見えない…これが東北の冬山のあるべき姿だろう。
雲の切れ間に、朝焼けに染まった白神山地と岩木山が彼方に見えたのは僥倖だったかもしれない。
2ヶ月ほど、激務もあって山から離れていたが 今回その素晴らしさを再認識した 行きたい山は無限にあるけれどチャンスは数えるほどしかない社畜ハイカー
さて2021年はどんな年になるのだろうか。
なかざwaka M氏 今回もありがとうございました!
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