八幡平 大深沢周遊
2020.8.1〜8.2
八幡平には東北沢登りで最もメジャーな葛根田川が流れている。
稜線を挟んだ反対を流れる玉川源流の大深沢流域は、葛根田川と繋げる遡下降でしばしば用いられる沢だ。
葛根田と繋げる場合、どうしても2泊必要になり 個人的にここに2泊はちょっと使いづらいかなぁという印象だった。
天気の微妙な土日、大深沢の周回を狙った。
8/1
この日、奥羽山脈一帯は雨予報で、それでも大して降らないだろうと踏んで突撃
5:00 M氏がバスに揺られて仙台にやってきた 高速を飛ばして2時間強で樹海ラインの起点に到着。
赤川は大深山荘への最短ルートで、小1時間で大深山荘に抜けることができる。
大深山荘は綺麗な山小屋だった。
大深山を経由し、ヤセノ沢下降ポイントを目指す 大深山から関東森、八瀬森へ続く登山道は非常に泥濘しており 普通の登山靴で歩けるのか
というレベル。 泥というか30cmくらいの水深がある沼といった具合。
天気は不安定、進む方向には黒い雲がかかっている。
八瀬森山荘の1km手前あたりで、強烈な豪雨となってしまった。 登山道は沢のように水が流れ、これでは沢下降などできない
八瀬森山荘に逃げ込み雨が止むのを待つ。
2.3時間八瀬森山荘で休憩し、雨が上がったことを確認しヤセノ沢の下降を開始した。
当初は、ヤセノ沢と大深沢の出合あたりで幕営を予定していたが、大幅に遅れてしまったので途中のco1050二俣付近で幕営した。
夕方から夜にかけてもかなり雨が降り、明日の行程が心配になるほどであった…
8/2
ヤセノ沢の下降を続行する、ナメが多少は現れるが変化に乏しい沢
かつて釜であっただろうが、埋まってしまっているものも多い
ヤセノ沢はその空の下で。。。の記録では関東沢よりも良いと記述があったので、あえて遠回りした。
しかし残念ながら現在のヤセノ沢は崩壊だらけで、美しさは少ない様相 葛根田川からの周回に繋げるにも、遠回りするだけの印象。
やがて大深沢と出合い、遡行するも前日の豪雨の影響か、濁りがひどく水量も恐ろしいことになっている。
その空の下で。。。の記録では、ヤセノ沢出合から関東沢出合いまでの大深沢の渓相は見事とあったが、残念ながら濁りと増水でそれどころじゃなかった。
この区間は進めずに右岸から巻いて、懸垂で復帰した。
狭隘部の出口にかかる8m滝 右岸巻き
5m滝は渡渉できなくて、右壁から登った。
狭隘部を抜けると大深沢中流部の右岸側は大崩壊が続いている、関東沢出合いまでは魅力を感じない区間。
崩壊地愛好家以外はわざわざ遠回りする必要は少ない、関東沢下降で大深沢を進むことを強く推奨する。
関東沢出合い以降、濁りは一気になくなり、渓相も格段によくなる 7mの斜瀑は左壁から
奥に大きな幅広の滝が現れた。 大深沢のハイライト「ナイアガラの滝」もちろん通称である。
ナイアガラの滝は落差10mで幅は50m近くありそう。実際見ると結構感動するので滝愛好家にはオススメしたい。
水量は多めなのだろう。
M氏は中央の灌木のある部分を登り、私は灌木を挟んだ左のヒョングリの脇から登って超えた。
ナイアガラの滝の上部は一面のナメが続き、これまでの苦痛だった遡行の苦労が霧散していく。
ここのナメは絶品、中流部の激流や崩壊が嘘のように穏やかな表情だった。
992の三俣はこれまた美しいナメが広がっている、ここでしばらく休憩を挟んだ。
東ノ又沢のナメは特に印象的で、M氏は竿を出すも坊主
M氏が釣りをしている間、気になった東ノ又沢を少し散策。5m滝の先には
200mは続くような赤茶けた岩盤のナメが広がっている。
三俣は大深山荘方面へ続く北ノ又沢へ進路をとる。こちらも随所にナメがあって気持ちが良い。
進路は右の滝。確か私は登れず、M氏が越えた気がする。
北ノ又沢はナメ滝が多く、イワナの魚影も濃い。
co1100以降一気に標高を稼ぎ始め、キツくヌメる小滝が連続し出す。
最後は穏やかな笹薮に囲まれた源頭となるが、大深山荘に戻るにはこの笹薮に突っ込まなくてはならない。
沢型が消えてからは地獄の藪漕ぎで200m程度に40分くらいかかった。
往路と同じように赤川を降り、駐車スペースに戻ってきた。
8/1 8:20駐車スペース-9:00大深山荘-12:15-14:15八瀬森山荘-15:30ヤセノ沢co1050付近
8/2 5:00スタート-7:40大深沢出合-10:00関東沢出合-11:15-11:40三俣-16:20大深山荘-17:00駐車スペース
大深沢は中流部(崩壊が多すぎる)に面白みも感じなかったので、関東沢出合より上流部のみでいいと思います。
周回するなら関東沢下降がベストでしょうか。 葛根田から繋げるにもヤセノ沢をわざわざ選ぶ必要は低いと感じます。
ナイアガラの滝からのナメはとても綺麗で見どころあります。
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