蔵王 濁川・丸山沢
2023.9.23
土曜日、現場が動いているため常に電話対応できる状態でなければならない。が、沢に行きたい。
近所の葛見さわさんにラインしてみる
最近沢登りにハマった会社の後輩の指導に勤しんでいる葛見さわさん、16時に散髪の予定があるらしいがそれまでなら暇らしい。ならば半日でサクッと終わりそうな蔵王の丸山沢に誘ってみる…はい、釣れた釣れた!
丸山沢は2週間前に行った振子沢の隣を流れる沢だ。振子沢は比較的メジャーで、宮城県外からもわざわざ来る人が多い、対して丸山沢はかなりマイナーな部類で宮城県内や近隣山岳会の記録がポツポツとmooreeさんの記録があるくらい。
そんなマイナーな沢、正直大して期待もしてなくて、沢に行ければそれでいいや程度の気持ちだったが、この丸山沢…宮城No.1の名渓なんじゃないかと思うほどに最高の沢だった!
朝、6時前に家を出るが天気悪く、「はい今日から秋に切り替わりました」みたいな気温の低さ 村田あたりで雨が降り、葛見さわさんから中止の連絡こないかな〜とか思うぐらいに面倒になってきてしまった。
エコーラインで刈田岳のリフト乗り場を目指すが、ホワイトアウトしている。。早く中止打診こいよ!っと思ってそれとなく中止を促すような内容のラインを送ってみる。
この時、葛見さわさんも俺からの中止の連絡待ちでいたらしい笑 が、間も無く標高を上げると少し雲の切れ間が出てきて中止にするとは言い切れない天気になってしまった。
結局合流して2人とも大して気が進まないまま賽の河原へ移動する。
カモシカ温泉へ向かう登山道で丸山沢へ入渓 ボサイが思ったよか水量がある沢だと思った。がしかし、8割が支流から流れてくる水で、一度ルートミスしてしまう。
カモシカ温泉へ向かう本流はクソショボい流れとなってしまう。アカンのかこれと心配になる葛見さわさんとポムチム
ただでさえしょんべん水量の沢は、みるみるうちに水量は細ってしまい、イタドリが異常に生えていてもう消えてしまいそう。大丈夫かこれと超疑心暗鬼 カモシカ温泉のある新噴気口を過ぎるとこれまでのしょぼい流れから一変、両岸が要塞のような岩壁に囲まれた異様な空間へと遷移した。俄然テンションが上がってくる! いつもかなりクールな葛見さわさんもこれにはニッコニコだ。
小滝群の先には25m大滝が構えている。水量は少ないが、周囲一帯を岩盤に囲まれた空間。これはかなり迫力のある景色だった。右岸のスラブ状の岩場を巻いて登るとそれほど難しくもなく25m滝の落ち口に至る。
それから少し進むと鱗のような岩肌が特徴的な30m大滝が壁のように行く手を塞ぐ。これまた見事。
高さがあるので葛見さわさんが持ってきた50mロープを使って左壁を登ってみることに。流心左を登ったが、完全順層でハーケンもきまって簡単に楽しく登れた。 滝上は壮大に開けた荒涼とした岩の台地が広がっている…圧巻!
ちょっと進むと沢は狭まり、異世界系ゴルジュとなる 10m程度のCS滝があるが、右岸から簡単に巻く
すると、隙のない岩盤に囲まれた細い12m滝が行く手を塞ぐ。 これは事前にmooreeさんの記録を流し見した時に登れると記憶していた滝。情報がなかったら登れる滝とは到底思えないが、下から見上げると確かにギリギリ繋がっている…?
葛見さわさんにこれ登りますか?と聞くとなんとも微妙な表情 ではと、ポムチムが登ってみると抜け手前が危うかったが、なんとか登れた。 この滝はかなり楽しかった、登ってよかった。
この上もちょっとした滝があり、気がついたら我々は丸山沢に夢中になっていた。
ゴルジュを抜けると、パァ〜っと開け、7m滝の奥には2段50m滝が神々しくさら〜っと落ちている。
思わず声が出てしまう壮大な景色 葛見さわさんも随分お気に召したようで最高!最高!とずっと言っている
2段50m滝は脆い火山礫凝灰岩だが、左岸の傾斜は緩く落ち口近くへ直接斜上しながらトラバースできる。
落石と浮石に気をつけながら進む 荒野に咲くリンドウに和む。
50m滝上には、似た形状の25m程度の滝が出てきた、これも美しい滝だ 左岸壁から巻き気味にトラバース
滝上からは仙台市のビル群まで望めた。
そのまま続く9m滝も岩盤状を歩いて超えると、正面には屏風状に広がる墓石のような岩盤が作る特異な景観。最後まで演出に余念がない丸山沢 この美しい地形を超えると水は枯れ、そのまま熊野岳の稜線へと導かれる。
藪漕ぎもゼロで登山道へ抜け、沢山のハイカーで賑わう熊野岳をPH 。 人生初御釜も堪能して非常に満足下山。 最高です。
葛見さわさんも「ジョンウィックの新作見に行かずに沢きてよかったです」と太鼓判いただきました笑
さて!!滝ハナへの準備運動は整った〜 明日は滝ハナいくぞぉ これから越後まで大移動開始!
・所感・
丸山沢はひょっとすると宮城で1番楽しい沢なんじゃないでしょうか?と思うほどに楽しめる沢でした。
半日でこんなに楽しめた沢はこれまでありません! この沢は景観的にもオンリーワンだと思います。
水量は少なく、ほぼ濡れませんので秋の沢候補にどうでしょう? 大雨が降った後でも多分問題ありません。