安倍奥 黒ん沢
2019/5.17
会社行事で休みのこの日、天気が良い。
丹沢、足尾などいろいろ案はあったが、4月に訪れた白沢のある安倍川流域に散歩に行ってみた。
安倍川流域の山岳地帯は「安倍奥」と言われ、南アルプスの前衛的な位置付けである。概して薮山が多いようで、そこはヒルの巣窟ということはよく知られている。
そんなマイナー山域でも沢は多く、とは言ってもコンヤ川本流やホーキ沢などとても私が立ち入れるような場所でないのがほとんど。
それでも、私がひとりでまったりと行けそうな沢を発見してしまう。
発見 といっても前々から目とつけていて、それなりに記録の多い沢だ。滝界隈もそこそこの出入りがある模様。
入渓点は黒沢林道の終点でわずかにあるスペースに停める。林道はレンタのヴィッツでも行けたがそこそこ荒れている。
黒ん沢へ入るやいなやイイカンジですが。
ところどころももあたりまで浸かるが、かなり冷たい水。まだ少し水浴びには早いようだ。
下流部には釣りをしている人がいたので話しかけると、「アマゴ」が釣れると言う。透き通る水を凝視するとなるほど結構大きいサイズの魚がうようよ泳いでる。
しばらくすると、滝が見え、手前の3mの滝の岩を超えると最初のハイライト10m級の滝だ。
左岸の段丘の上に立つと上段が見えるらしい、帰ってから知った…
左手の滝が本流で、右手にも流れがある 奥にもかすかに滝が見えるが倒木が多く行く気は削がれた。
岩盤がなかなかの雰囲気を演出し、陽の入らない暗い空間の不気味さを際立たせていた。
この滝は、滝のすぐ左にあるガレルンゼから巻いた。
途中、上段も見え結構な規模感だった。
この巻は滝上部にあるゴルジュを大きくまく必要がある。途中倒木と傾斜の強い砂地のエリアがあり落ちたらゴルジュに吸い込まれる箇所があり緊張した。
最後はちょびっと懸垂しそこそこ大きそうな滝の上に着地、そしてすぐに形のいい滝がお目見え。
壺も深く大きく、かなりの美瀑だ!!水が深い翠色でキレイ そして魚たちが泳ぎまくり生命感溢れる世界にうっとりする。
※ここから三脚の調子が悪く、すべてスローは手持ちで切った。
この美瀑は右から巻いた。
その後も小ぶりの滝が連続する。
場所場所で壺の色が変化して飽きない。
苔ランド
そして黒ん沢の中でも個人的に一際美しいと感じた淵見えてきた。あ…蒼い!!
こんなに蒼い水を見るとは思ってなかったの大変にビックリ。
驚きの黒ん沢である。
左岸の岩盤が見事な滝を迎える。
非常に美しい風景。
これを超えると、ハイライトである「七ツ釜」が見えてくる。ドキドキする。
見えた、七ツ釜だ! しかし最下段は倒木に汚染されてしまい美観を損ねている、写真におさめる気持ちも削がれる残念な倒木だった。
続く写真に写る下から2つ目の滝も倒木があり、これにはかなりのショックを受けた。
道中も倒木は非常に多く、これはなかなか深刻な現状かもしれない…
下から2つ目の滝はトラロープが張っていて登れる。
そして真ん中のナメ滝の空間へ、苔と優しい水の流れが織りなす別天地!
なかなか映えるポイントだ。
釜を上に移っていく。
そして七ツ釜の一番上の方、釜として最高の純度を持つ神秘の釜へ到着!!
「めっちゃキレイ…」意図せずそんな風に口ずさんでいた。
微妙な陽の入り方や、角度で刻々と変化する神秘の壷。残念ながらここにも倒木がありアングルは限定的だ。
苔の緑と壺の蒼が他で見れないような風景を作り出す。木漏れ日が照らすそれは山と溪の国日本の原風景。
七ツ釜を後にし、最初の仕事道で下山。仕事道は明瞭で迷うことはない。
途中上コース、下コース?だかの分岐があり確か尾根伝いの下コースで正しかった。
蜘蛛の巣が半端でなく、また害獣防止のネットをくぐったりとストレスな下山だが、距離は短い。
鉄塔のある部分を歩いてゆく。
最後は終点の手前に着地した。足を見るとヒルがそこそこいて1箇所食われていた。
それにしても黒ん沢は良かった、倒木、蜘蛛の巣、ヒルが厄介だが、美しい水風景は必見。暑い日に水浴びと釣り道具を持っていくと最高の遊びとなるだろう。
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