五葉山 桧山川
2021.7.4
岩手沿岸部に程近い位置に南北に渡って連なる北上山地は、沢登りの対象となるようなところは少ないが五葉山を流れる桧山川は近年人気急上昇中の沢である。奥羽山脈とは違い豪雪地ではなく、太平洋側の沿岸部にあるため天気もだいぶ違う。
今日は日曜日の1日休みを利用して、一人で桧山川を散策することにした。
林道から尾根の踏み跡を利用して入渓すると、早速ナメと釜のある風景が出迎えて非常に雰囲気がよろしい。
曇り空でありやや暗い感はするが、豊かな森を流れる清流といった趣でとても気持ちが良い。
ラバー靴で来たことを後悔するようなヌメりを要所に感じるが、これといって危険なところもなくテクテクと渓谷浴を楽しむ。
水はとても澄んでいて、イワナが泳ぐ姿も確認できる 岩手沿岸部の沢侮るべからず
沢床を覆う一枚岩の区間は美しさに驚嘆する 岩に腰をかけ しばらくの間 この空間で寛いだ。
随所に大きな釜や淵があり、暑い時期には水を存分に浴びながらの遡行もできるだろう。 今日は肌寒さも感じるくらいの気温なので、なるべく体を冷やさぬよう歩いた。
首都圏近郊にあれば人気の沢となるだろう 苔とナメがいいバランスで共在する 見事である
突如谷を塞ぐように現れる2段10m滝は左岸のバンドからか細い枝を掴み小さく巻いたが、正直危険であった あとで記録を読み返すと、左岸壁を巻くように大きく巻いてから5mの懸垂下降で復帰するのが定石だったようだ。
その後も簡単な滝、ナメ、淵が連続し 決して退屈することない
沢で一番大きな滝は、大量の倒木が詰まっている姿が残念である。
右壁を簡単に登れるが、如何せんヌメりが強い たわしで慎重にヌメりを落としながら無事登りきった。
イワナが元気に泳ぐ釜
やがて源流の雰囲気を感じるようになると一際美しいナメ滝が現れた
滑滝の上も滑床が続くが、徐々にボサリ始めてくる
Co720で左岸から出会う小さな枝沢を使って林道に戻った あすなろ山荘で昼飯を食って下山
5.6時間で行動を終えたが充実感のある綺麗な沢だった。 遠方からわざわざ…という感じでもないのだが また再訪したいとてもいい沢だった。