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2022-10-16

本谷山〜越後沢右俣 ‘八百間の大滝’

2022.10.15〜16

奥利根の深い山々 奥利根湖によって閉ざされたいくつもの長大な渓谷 巨大山塊を穿つ険しい谷には多くの滝がかかり、100mを越す巨瀑も奥利根では珍しくないと言う

中でも「越後」の名を冠する利根川の大支流 越後沢は別格の滝があると言うのは沢屋、滝マニアにはよく知られた話。

越後沢は右俣、中俣、左俣と3本に分けられ、右俣の「八百間の大滝」 中俣の「まぼろしの大滝」は共に落差200m以上であり奥利根最大の滝を形成している。

この滝に行くには、いろんなルートがあるけど 滝が最も美しい紅葉の時期に行くとすれば、十字峡起点で中尾ツルネを登り、本谷山からの山越えで滝に接近するのが一番手っ取り早いのでしょう。

紅葉の遅い今年、ちょうど今が見頃のはず 日曜は晴れ予報 行くなら今しかないでしょ と思い立ち大滝に会いに行くことにした。 今回は2ヶ月ぶり以上?にM氏と同行となった。

なるべく安く行くため、仙台から夜行バスで大宮に4時半到着 ここでM氏にピックしてもらう予定だったが着いた連絡すると、なんとたった今起きたという… 毎回毎回100%遅れるので、もはや慣れたが 結局車が来たのは6時前(1時間半遅刻)…

で、十字峡についたのは9時過ぎ 随分遅いスタートだが、今日は本谷山に行くまでなので問題なかろう 林道はゲートで施錠されていて車は入れない 中尾ツルネの登山口まで4kmほどの林道歩き 1時間くらいはかかった 

中尾ツルネは急登から始まり、ひたすら一本尾根を登る 展望が良い箇所が多くてネコブや八海山が道中ずっと良く見える。

痩せ尾根区間はハチが多くいるので注意したい 国境稜線の小穂口の頭までくれば本谷山まではすぐだ 展望は残念ながらガスでよく見えない 本谷山へ向かい、痩せ尾根を超えると今日のテン場の「池」

「池」は本谷山の山頂直下の窪地にあり、オアシス空間満載 なぜにこんなところに池が!?という立地 池の水質はクリアだが、多少チリやカスが浮いてるので浄水器で浄化して飲む この池ある空間 まじで良いです

本谷山直下の池
池の畔にテントを張る

M氏が持ってきた僅かな酒でちびちびやりながら、担いで来た食料を食いまくる 焚き火もできないので飯食ったら寝るだけ 寒さを危惧しシュラフを2枚持ってきたがあんまり寒くなかった。 

夜中は風がめっちゃ強かった。

10.16

朝テントの外に出るとまるで雨が降ったかなように地面が濡れている どうやら昨夜は雲が通過したらしい。 

これから長い藪漕ぎがあるが、藪には露がたっぷりついていることだろう…

朝飯をかっ込んで6時前にスタートした

小沢岳 下津川山
1799のピーク

本谷山の稜線は眺望抜群 特に存在感を示すのが銅倉尾根 下津川山と小沢岳が照らされている その山容は百名山に劣らない存在感だが、登山道すらない秘境の山 いつの日か山頂を踏むことはあるだろうか。

小さく刈り払いされた本谷山山頂から先は全く手付かずの笹薮 朝露によって藪漕ぎ1分で下半身はびっしょり 最初は腰下の藪だったけど、進むにつれて背丈以上の屈強な藪を進むことになる。本谷山とP1799とのコルは草原が広がり獣たちのヌタ場となっているようだ 藪をかき分けP1799に登り返すと藪は幾分薄くなり 獣の通り道か僅かな踏み跡が尾根上に続いている。

越後沢山までかなり近づいたところで、越後沢の中間尾根を下降する。

中間尾根を下る
紅葉に紛れ込んだM氏

中間尾根は最初、急な草付きの下りが70mほどある 草が枯れていて強度が低くなっているため慎重に下った。 その先は灌木の藪漕ぎ 下りなので楽だけど帰りはこれを登り返すと思うと憂鬱だ… しばらく藪漕ぎをこなすと露岩帯が続き、時折短い藪漕ぎを程度の快適な尾根下りとなった。

周囲は最盛を迎えた奥利根の紅葉 最高のタイミングだ!

越後沢中俣 まぼろしの大滝
越後沢右俣 八百間の大滝

尾根を下り続け、Co1300付近になると中俣のまぼろしの大滝と右俣の八百間の大滝が左右に見下ろせるようになる。

中俣のまぼろしの大滝は遠目では水が流れているようには見えないほど渇水している 右俣の八百間の大滝はしっかりと水が流れていて、山の一部がそのまま滝となっているような巨瀑 これでも3段ある内の上段部分のみだ 本当にデカイなぁ

尾根越しに二つの大滝
中段・上段

中段直下へは岩棚になっていて、フリーで降りるのは少し怖い ロープをフィックスして中段直下に降り立つ。 下段の40mは落ち口から見下ろすと、少し下流で今にも崩れそうな薄い雪渓が残っていた。

下段まで正面から見ようとするとさらに懸垂下降が必要なので、中段からで満足とした 90mあるようだが、真下からではその落差はよくわからない。 

フィックスを登り返し、灌木を少し潜った先の中段右岸のスラブと藪のコンタクトラインから巻き登る 高度感はあるが、岩の傾斜は緩く、掴める灌木も多いので目の前に迫る中段滝を楽しみながら登れた。

僅かな藪をかき分けると、落ち口に直接出れた  綺麗な滑床の先には、最大の上段200m級(?)がものすごい奥行き感でまるで天空から降ってくるような形状である。

中段90m 直下
中段90mだけでも相当に立派な滝
右岸を巻き気味に登る
上段200m(?)

八百間の大滝の主瀑となる上段滝 中間尾根から見えた印象よりも大分傾斜は緩く 右壁を快適に登れそうだ 

ここで大休憩をとる 自分は滝屋なのでこの秘瀑を前にして一眼カメラで撮影しない訳にはいかない。

ポムチムと大滝
スローシャッターで
右岸側から
1段登った上を写真に収める

八百間の大滝は上中下段の3段構成だが 上段はまた大きく4段程度に分かれていて、1段目を登るとまた違った印象を受ける。登り始めるとグイグイ登れてしまいあっという間に上段の最上段に来てしまった。名残惜しい

快適に200m登る
上段の最上段を登る

最上段の落ち口手前から下を覗くと吸い込まれてしまいそうな高度感… もともと軽度の高所恐怖症がある自分はタマが凍り付いてしまいそうになるが、最近こういう高度感にも随分慣れてきた 最後までロープは使わず快適に登ることができた。

滝を登るポムチム 引きつった笑顔
大滝上の美しい渓相

大滝の上にも綺麗な連瀑があり、ヌメリに注意して越えると沢は一気に穏やかすぎる様相となる。複雑な蛇行の先には、越後沢右俣の奥壁群が姿を現す。。錦秋に彩られた奥壁と秋深まってなおも残る膨大な雪渓が見事な融合を果たした景観だった。

穏やかな沢へ
右俣奥壁群と大雪渓

M氏は雪渓の奥まで行きたい様子だったが、ポムチムはチェンスパ自体持ってきていなかったので、手前の右岸にある尾根から中間尾根へ戻ることにした。 この支尾根も眺めがよく、藪漕ぎも大したことなかったのでかなり良かった。

右岸支尾根の登り 紅葉に紛れたM氏を探せ!
中ノ岳 八海山

中間尾根まではすんなり戻れて、中間尾根の登り返しは純粋に疲れたが、藪も思ったほど苦労せずに13時過ぎに中間尾根の頭部に戻ってきた ここからの藪漕ぎはしんどく、特に本谷山への登り返しにある背丈を越える藪漕ぎはかなり堪えた。

相当消耗し、本谷山から下り池のデポ品を回収に向かう 途中、上から池がよく見えるがなんとテントが無くなっている!?

M氏はしきりにテントが飛ばされていないか気にしていたが、自分はそんなことあり得ないと思っていたがびっくり仰天だ。

池はさざ波立っていて確かに強風が吹いていたようだ あわわわ〜と焦ったが、運よくテントは近くの藪斜面に引っかかっていた。幸い、破損も紛失物も何もなく安堵した。 テントのデポは飛ばされないよう対策をする、今後の教訓となった。

往路と同じように中尾ツルネを下り、車に着く頃にはすっかり日が暮れてしまい、久々のヘッデン下山 風呂をサクッと浴びて、かっぱ寿司で夕飯 M氏は最初、かっぱ寿司の提案に猛反対していたが、食ってみたら意外とうまいと喜んでいた。

今回の活動は八百間の大滝を点でたどるような活動ではあったが、紅葉の最盛の時期に一泊で秘境越後沢の大滝と謁見できるだけでも自分としては大満足 この手のはルートにこだわりすぎるとやがて行ける機会を損失してしまい一生行かずじまい…なんてこともあり得るので、行ける時に行っちゃうのが良いと思いました。初の奥利根、大紅葉、八百間の大滝 自分は大満足です! M氏ありがとうございました

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