奥地の盟主 和賀岳
2021.2.28
2月の最終週末、全国的に条件がよく狙える山が多い。登山者たちは思い思いに山を楽しむことだろう。
自分はと言うと、向白神岳か和賀岳で迷ったが、M氏参戦ということで和賀山塊の盟主 和賀岳に特攻することになった。
和賀岳は昨年10月に大鷲倉沢から詰め上がった記憶に新しい山。1月の羽後朝日岳からもよく見え、その巨大な山容に魂が震えた。
下に示す地図でも分かるように和賀岳は山塊の非常に奥深くにある山だ、四方を沢と尾根に囲まれていて、短くアプローチする方法はない。
無雪期でもそれなりに距離のある山なのに、冬は除雪されていない林道歩きも追加され孤高の山となる。
いつかは行かねばと思っていたが、行くなら今かなという好条件 しかしながら土曜は仕事で日曜しか動けない、これは寝ずの徹夜山行になるだろう… そんな無茶したことないが ま、1日くらい寝なくても大丈夫でしょ
0:30スタート 異常な明るさの月明かりの下、若畑集落から高下岳登山口(地理院地図には未記載)への林道をひたすら歩く。
林道の終点付近から適当に尾根に取り付き、傾斜の緩い尾根を無心で登る。 眠い、眠すぎる…
尾根は概して広くなだらか、広葉樹優占のとても歩きやすい。
高下岳へちょうど着く頃に白み始め、根菅岳のあたりで陽が昇り始めた
日の出は早池峰からだった。
和賀の稜線はなぜか雪がとても少なく、地面が見える所も多々ある。 突風で雪が飛んでしまったのだろうか?
1月に見た稜線とは大分印象が違う程に雪が少ない。
大荒沢岳、羽後朝日岳への稜線 下草どころか地面まで見えている所も多い。
秋田駒も随分雪が少なく感じる 最近降っていないし、暖かい日もあったから融雪が進んだのだろうか。
歩き続け大きなポイントである根菅岳を降ってきた、ここからは西へ続く尾根へ折れ和賀岳へ南下する。
この時点で既に6時を回っている。和賀岳はまだ遥か先だ…
朝陽を浴びる和賀岳
その姿は軍艦のような重厚さを感じる。
控えめな霧氷
いつまで歩いても一向に近くならない和賀の頂 雪面は氷化しているところがほとんどで、ラッセルとは無縁なのが幸いである。
霧氷があれば完璧な条件だったけれど、望みすぎかな(笑)
西斜面には微妙に霧氷が咲いていた!!
それにしても本当にいいお天気だ、こんな日に和賀岳に行けるなんてありがたいことだ。
そして目の前に現れた和賀岳の巨大な山容! デカイ!デカすぎる!!こんなに分厚い山だったのか…大鷲倉沢から詰めた時には分からなかった角度の姿に感動した。
左手には焼石連峰を見ながら広大すぎる尾根を歩く。
これぞ東北の山岳風景 深く 大きく たおやかな姿 開発の進んだレジャー山地とは一線を画す原始のままの姿だ。
宇宙空間を想像させる壮大な風景
これが和賀岳!!最高でっす!
カモシカさんこんにちは!
ずっと見えているのに、一向に近づいてる気がしないピーク。尾根がとてつもなく広いので距離感がうまく掴めないのかも
秋田駒ヶ岳、羽後朝日岳、岩手山 東北の名峰たちを背に ただただ登るしかない… 眠い
強風が常に吹き荒ぶ尾根上は、見事な風紋模様ができている
やっと前衛のピークまで来た! 奥に見えているのが本峰のピーク
ここまで来ても本峰ピークはまだそこそこ遠い、マジで勘弁してくれ〜
9:30 なんと歩き始めて9時間かかってようやく和賀岳山頂に登頂!! 突風が吹いているためか、山頂に積雪は殆どなく地面が露出している。
同時期の記録では完全に埋まっているものを見たので、風だけでなく全体的に雪も少ないのだろう。
今年は積雪豊富なイメージだったがそれは去年と比べればの話なのかも
真昼岳方面
真昼岳は標高1000mちょいの山だけどやたらと風格があり、真っ白い姿が印象的だ。
M氏今回もお疲れ様でした
帰りも当然同じ道程なので、足早に帰りましょう!
目立った山の山座同定
北西の方に見えた山はあまり馴染みのない太平山地の山々のようだ? なかなか奥深い山地だが、かなり渋目だ 太平山は沢も冬山も行ってみたいが…
傾斜が緩いので、さっささっさと下れず 下りの恩恵が薄い下山だ
おまけに根菅岳への登り返しは強烈で、寝ずに12時間以上歩いている体に凄まじい追い討ちをかけてくる
この後も高下岳への登り返しもあり、下りの尾根に入る頃には精根尽き果てていた。
無我の境地で歩き続け、車に戻ったのは15時半 実に15時間の山行だった。
今回、日帰りで和賀岳にたどり着けたのはとても条件が良かったから。ラッセルは殆どなく、天気も快晴だった
こういう条件であれば、遠い山でも頑張ればたどり着くことができるんだな〜と思った。
冬の和賀に立てたことは感慨深い いつかまた、もう少し雪があるときに泊まりで来たい。
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