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2021-07-23

下田山塊 笠堀川・大川遡行-砥沢川下降①

2021.7.23-25

いつかは行ってみたいなと思いを募らせていた大川 連休の好天も手伝ってなんとか実現することができた。

世間はオリンピックの4連休

自分は本来土曜まで仕事だったが、なんと休みを貰えるという嬉しい展開があった。

しかしながら先週の早出川下降中に岩の突起に打ち付けた左足の調子がかなり悪い… 大人しく指を咥えて引きこもる予定だった。

7.22の連休初日には足の痛みは85%回復しており、これなら沢行けそうだと直前にM氏に相談すると向こうの予定も特に無いらしく、どこか行こうという運びになった。

で、天気も良さげなんで兼ねてから行きたかった下田の大川と砥沢川(とぞーがわ)の遡下降を弾丸で計画した。

大川は2年前に行った光来出川の片割れであり合流し笠堀川となり笠堀ダムに注ぐ。光来出の沢登り記録は下田・川内山塊全体の中でも最も多く見られるものの一つ(ガンガラシバナが一番多い)だが、大川は同じ規模の沢なのに詳細な記録はほとんど見ない。

砥沢川も同じく笠堀ダム湖に注ぐ沢でありが、基本的に鎌倉沢の下降沢に用いられる だがこちらも曲者で下山には山越えかダム湖横断、数kmの藪漕ぎとなる デプローチ方法がどれとも決まらぬまま当日を迎える…

7.23  笠堀ダム-笠堀川-大川-小又沢

朝6時、少し足の違和感を感じながら笠堀ダムで準備しているとダム管理人さんに「ダムの先、立ち入り禁止なんだけど!!」と注意を受ける。

はい…知ってます 柵ありますからね…許してくださいと ここ行かなきゃ山に入れないんです等とゴニョゴニョ言っていると 駐車位置だけ変えてくれと頼まれ、柵の侵入はなんとか大目に見てくれるようだった。 そのうち柵に有刺鉄線でも巻かれそうだ(笑)

ダム湖右岸の湖岸道は一昨年ぶりの2度目なのだが、薮化著しい踏跡は数100mで終わり、あとは池の横のクソ程歩きづらいところをずっ〜〜と歩く感じ。

もはや「道」とは言えたもんじゃない。ダムからバックウォーターまで4時間程度は見ておいた方がいい。

我々は2度目だがそれでも3時間程度かかって懸垂下降で笠堀川に降り立った。光来出のときは懸垂下降などしなかったが、今回はその時より随分と貯水量が多く入渓地点が後退したようだった。

笠堀川はとても澄んだ美しい渓流で序盤から数箇所の泳ぎが入る。

記憶にあるこの長い淵はなんだか随分浅くなったようで大して泳がなくなっていた。

大川と光来出川の出合 水量比は1:1  写真右手が大川 ここから先は初めてのエリアだ!

鹿の腐乱死体を発見し少し(かなり)萎えるが、すぐに泳ぎの淵 ウグイやオイカワ、ハヤなどの雑魚が大量に泳いでいる。

大きな釜を持った3mの滝は音滝と呼ばれる 音滝…とても素敵な名前だ ハングした側壁に轟音がこだまするそれはまさにぴったりなネーミング。

ここは右岸から簡単に巻ける

音滝から先はしばらくゴルジュが続き水圧が強いが特段厳しいものではない。

続く長い淵は泳いで行くが後半に従い流れが強烈になり、ここは早くもM氏の出番だ!

空身のクロールで全力で突破していただき、荷物と私を引っ張ってもらった 厳しいところはいつだってM氏の出番なのだ!

ゴルジュは緩んだり、少し険しくなったりを繰り返す 光来出より幾分険しいが行き詰まるような箇所はなく、とても楽しい!

音滝より上流には先程まで大量にいたウグイ等の雑魚は消えるが、イワナの魚影が半端ない!! 無限に湧いて出てくる ここはイワナたちの楽園だった。

大川の芸術的地形のゴルジュ 相変わらず泳ぎの多い遡行が続く 光来出川のゴルジュも最高に綺麗だが、大川も遜色なく出色の美しさだ!

沢の先が急に曲がっている箇所が多く、次の展開を楽しむドキドキ感がある 先には何があるのかな?

先もずっとゴルジュでした〜

ゴルジュに次ぐゴルジュだが、これといって厳しくもなく、楽しく進める!

すぐに開けて明るくて最&高の気分になる〜 先週行った早出川がこの類の最高峰であったため、感動度が薄れてしまうかと思われたが、とんでもない杞憂だった。

大川ゴルジュたっまんねぇ〜!

このエメラルドグリーンね これがいいんですね♫

美ゴルジュを振り返る 会越の滝沢川に似た雰囲気を感じる。

ゴルジュはぐっと狭まり険しい様相となる

50mほどの水路状ゴルジュとなり先には激流の2m滝とすぐ上に3mの滝を懸けている とても水線通しではいけないところだが、右岸の側壁が緩んだ傾斜となっていて難無く巻くことができた。

水路の先にある激流小滝 ここは巻くしかない

巻きは容易 復帰には古いボルトと擦り切れた数本の残置スリングで懸垂となったが、なんとここでM氏がエイト環を落として紛失してしまう!

もはやここまでか!とよぎったが、懸垂下降は半マストや、自分の持つATCの利用 ビレイも半マスト。インクノットのフィックスにすることで先に進むことにした。

※結果的に今後も何事もなく本山行を終えましたが、ビレイデバイスの紛失は沢登りの場所によっては「詰み」です。 本来引き返すのが正しい判断だったかなとも思います。

降りたそこは、ゴルジュ内でワシガ沢との出合となっている、ワシガ沢も一寸厳しそうなゴルジュが先まで続いている沢だ…

沢はやがてかなり穏やかな感じになり 下部のゴルジュは終わったようだ

標高は未だに200m台 気温は激暑だが、依然水につかる箇所ばかりなのでちょうど良い。

綺麗なナメの展開も 大きなイワナがそこら中を泳ぎ回っている ここは釣り師も沢屋も滅多に入らないような場所だ。

人にあまり恐怖心がないのか、逃げないイワナやこちらに向かってくる個体までいた。 どうかこのまま静かな渓であってほしいと願う。

小又沢出合いの手前で再びゴルジュ風になるが特に何もなく、無事に大川(大ブナ沢)・小又沢の出合まで来れた。

今回は砥沢川を下降するので右手の小又沢に入る。 水量はやや小又沢の方が少ない

すぐにちょっとしたゴルジュだが、たいした物はなく泳ぎもたまにあるかないか程度まで落ち着いた。

幕営適地を探しながらM氏は竿を出しての遡行となった。

尺が三匹釣れ満足! 素晴らしい! みんな丸々太っている 支流では45cmぐらいのまるで鯉のようなイワナをかけたが、残念ながら上げる前に糸が切れてしまった。 あんなもの初めてみた、サケのような顔つきをしていた… ヌシに間違いない!

時折河原はあるものの幕営に適したところは少なく、ちょっと焦り出す。

清水沢の先にあるCo340に絶好の河原を見つけて幕とした。

すぐ後ろが高台になっていて、万一増水してもすぐに逃げれる 後にも先にもここが一番良い幕場だった。

下田のイワナを頂くことに、でかいので刺身の量も満足だ! あああうまい!!!!

一匹は遠火で塩焼きに この塩焼き 今までのイワナで一番うまい塩焼きだった! 脂がぼたぼた垂れてくるし鬼ジューシー

下田の野性味溢れる渓の恵みに満足して就寝 ヤブ蚊の量が相変わらずはんぱねぇ!!

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