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2021-10-03

秋色に染まる尿前川

2021.10.3

日曜日休みの自分に合わせてくれた仲間たちと焼石の尿前川へ行くことになった。

尿前川へは2019.8に江戸切子さんとともに遡行したことのあるの沢だが、沢の美しさも去ることながらミルキーブルーの特殊な沢水の色に驚いた記憶に残る経験だった。しかしながら当日は不安定な天気に悩まされ、途中豪雨の中、雨が止むのを待つなどしてゆっくり沢を楽しむ余裕は無かった。

いつかまた再訪したいと思っていたので、この機会は心待ちにしていたところだった。

それにこの時期は、焼石連峰が紅葉に彩られる時期でもある。栗駒などの超メジャー紅葉スポットともに焼石岳も東北有数の紅葉山地である、楽しみでならない。

早朝仙台に渓たそ、M氏、葛見さわさんが集結し、自分の車に乗り込んで、いざ中沼登山口を目指す。 7時前に着いた時にはすでに満車になっており、仕方がなく邪魔にならない林道の隅に駐車した。

それにしても大盛況である。 我々もサッと準備を済まし、7時ちょっとに歩き始めた 20分少々で尿前川の渡渉ポイントだ。天竺沢の時と比べて明らかに水量は少ない、天気も上々で今日は楽しい沢日和になりそうだ。

いくつかの支流を分けて歩いていくと、最初のしっかりとした滝である6mほどの滝が出てくる、右壁を登る

ミニゴルジュのヒョングリ滝
奧に三ツ折の滝が見えている

最初の滝を越えると、ミニゴルジュが形成されていてヒョングリ滝やちょっとした滝の通過が面白い区間だ。青白く白濁した特徴的な水の色が水深を分かり辛くしている。 ミニゴルジュの先には3段の三ツ折の滝があり、右岸の樹林帯から高巻く。

割と大きく高巻くことになり、松の生えた支尾根から懸垂下降30mで沢に復帰する。

三ツ折の滝の先もまたミニゴルジュとなる。
不思議な形をした滝 正面は壁に塞がれている。

懸垂で降り立ったところはまたミニゴルジュとなり、すぐに正面が大岩で塞がれた中空の10m滝となる。 面白い滝だが、引き写真を撮れず、全容を写しにくい。 滝の巻は左岸巻き 以前よりも驚くほどに高巻き道が明瞭になっている。 今年は入渓したパーティが多いのだろうか

尿前大滝
お…泳いでる…

やがて最初のハイライトとなる尿前大滝が見えてきた! 前回とは違って快晴のもと燦々と陽を浴びて輝く大滝 ん〜GOOD

葛見さわさんは、すかさず青白い滝壺へ飛び込む…おいおい嘘だろ…

青空と大滝
大滝のすぐ上の7m滝は快適に登る

この大滝の高巻きは最初の難関であり、右岸のガレ崩壊と薮の境目から登っていき、少し滝を見下ろす位置まできたらトラバースで高巻く 踏み跡は明瞭だが、慎重にならなければ危険なポイントなので渓たそがトップでフィックスを張って進んだ。  大滝の上は2段目と言った方が正しいのか7mの滝があり、ミルキーブルーの釜がとても美しい。ここは左右どちらからでも簡単に登れる。

小瀧の連瀑が始まる
ほとんどの小滝は簡単に登れる

大滝から上の区間は間髪入れずに10mに満たない小滝が連続する区間であり、そのほとんどが快適に登れて非常に楽しい沢登り区間。 滝と滝の間はナメとなっていて飽きさせることはない。

次々と現れる小滝を快適に超えていく
随所にナメもあり東北の趣に溢れる
滝ひとつひとつが個性的
次第にナメが広がり、先には焼石の稜線が見える

滝の頻度も落ち着いてくると、美しい滑床が卓越するようになる、直線的な流路の先には焼石の稜線も見え隠れし抜群の開放感である。ここから大ナメまでは北東北でも有数の美渓区間となる。

幅広の10m滝 左を登れるが右から簡単に巻く
いよいよ大ナメが始まる

連瀑帯の最後には幅広の10mぐらいの滝が先を塞いでいる。 左から登る記録が多くあるが、右の藪から簡単に巻けるのであえて登る事はしなかった。 この先はいよいよハイライトの大ナメ区間だ。

白く美しいナメ床が数100mに渡って続く
車が走れるようなナメ

白く美しい大ナメは4車線分ぐらいはあるような幅を持ち、遠く先の夫婦滝までまっすぐに続いている。 昔よりも石の堆積が多くなっているようだが、それでも極上のナメだ! 

ナメで有名な大行沢や叶道沢は樹林帯の中にあるナメであり、どうしても薄暗いようなイメージが先行するが、ここの大ナメは大きく開けていてとにかく気持ちが良い! そして何よりも沢底が白いこともまた尿前の特徴、これほどに美しいナメが続く沢はそうそう無いはず。

大ナメを歩く
大ナメを振り返る
先には夫婦滝が見える
ナメも終盤となる

どこまでも続くナメもやがて終わりが近づき、最後は関門となる夫婦滝となる 右俣は急峻な連瀑となっていて温泉成分を含んだ沢、左俣は主瀑30m滝がかかる。

夫婦滝
急にヌメリが強くなる

夫婦滝は右岸のスラブを登るが、大変脆くて中間支点も取れないため慎重に登る。前回と同じくここは私が登って、アングルが決まったところで後続を迎える。スラブは途中から普通に歩ける斜度となり、そのままトラバースし滝の落口を超えていく。

ここから先は水質が変わり極端にヌメリが増して、ラバーでは非常に辛くなるところだ 夫婦滝を超えた先も小滝が連続し、いくつかは強いヌメリと泥壁の巻きが必要でかなり難儀するものもある。チェーンスパイクがあると心強いかもしれない。

30mはありそうな立派なナメ
乾いた岩は快適に登れる

立派なナメ滝は水流付近に寄るとヌメリが強すぎてどうにもならないので、少し離れたところを歩く。この先も2段の10m滝が現れて右の乾いた壁を使って超えていく。多少の脆さはあるが岩の部分は概してフリクションがよく効く。

最後の2俣
泉水沼からの焼石岳本峰

左岸側が大きく崩壊した先は最後の二俣となる8m滝がかかる 二俣は水量の多い右俣が気になるが、登山道の近い左へ進む。多少藪っぽくなるが、下手に流路から出ようとすると返って面倒になる事は知っているので、登山道に合わさるまで忠実に進む。

行き交う人たちが見えてきて、最後の笹薮をかき分けると下山中のハイカーとばったり、すごく驚かれてしまった…

木道には沢山の人たちがいて、焼石岳の人気ぶりも伺える。 振り返ると確かにすごい紅葉だ!! これは山頂まで行かなくては!

焼石岳が近づく
広大な焼石連峰

泉水沼までくればあとはひと登りで焼石の山頂。 風が強くかなり寒いが、これは素晴らしい〜 灌木たちが真っ赤に色づいている。 山への興味が薄い渓たそもご満悦だ。

下山開始〜
下山の紅葉も美しい

山頂に着く頃には、皆下山している時間帯であり 僕らだけで独占 とても贅沢な時間だ 焼石連峰の山は同定できるほど詳しくないが、多くの池や刻まれた沢筋から水がとても豊かな山塊である事は想像できる。 栗駒との間に見えるのは栃ヶ森だろうか? 北のほうは真昼〜和賀かな 味い深い東北の山はどこも大変魅力的だ。

登山道は一部泥濘が激しいところもあるが、概ねなだらかな登山道で2時間弱で駐車場まで下山できた。

秋の穏やかな日に、美しい尿前川に再訪できたことをとても嬉しく思う、葛見さわさん、渓たそ、M氏ありがとうございました!

遡行図リンク

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