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2023-05-01

市房山 一ツ瀬川 ニタノオ谷

2023.5.1

ようやく晴れ周期が来そうだ。。さて明日はどこの沢にしましょう 

江戸切子さんとチキン南蛮を食べながら慎重に行く沢を検討する。私が行きたい沢は市房山の境谷、大崩の祝子川など定番中の定番だがはたして・・ 明日は約束された晴れで九州滞在中のメインとなる一本を行きたいですね〜・・・ と話していると、市房にはこんな沢もあると知りもしなかったニタノオ谷の情報を教えてくれた。 

ニタノオ…なんだか怪しい名前に惹かれた。その後は頭からニタノオが離れず、江戸切子さんもここがいいと合意したのでニタノオに決定。

ニタノオのある市房山東面は、人気の泊まり沢である山之口谷、九州を代表する境谷、巨瀑が乱立する鍋床谷(そごう谷)など名渓がギュッと詰まった「九州沢登りの聖地」とのことらしい。ワクワクしながら遠い西米良村へ向かった

西米良村の道の駅で仮眠して朝起きると横には「かりこぼうず大橋」がかかっている 木製の部材が使われている立派な橋だ 実は後に発覚する事実で、この「かりこぼうず大橋」の命名者は江戸切子さんの同僚らしい! 同僚が小学生の時に西米良に言い伝えのある森の精霊かりこぼうずに由来して公募したところ決まったようだ。思いがけない話に驚いた

さて、国道265を進み、ニタノオの出合いを見送った先の適当なスペースに車を停め、一ツ瀬川へ降りるが水はめちゃくちゃ少ない 数少ないニタノオの記録では一ツ瀬川が荒れ狂った激流だったり、本気の泳ぎ渡渉があったのでビクビクしていたが杞憂であった。

ニタノオ谷はいきなり滝で出合い、暗い樹林帯の中を滝・滝・滝と次から次へ滝が現れる。

最初の大きな滝12mくらいか
8m級 すぐ上にも滝

急勾配の中にある小滝を登ると黒光りした滝があり右岸を巻く、その先にもまた滝とひっきりなしに連続する 登れない滝は右岸巻きがほとんどであった。

支流との出合い2条の滝
3段30mクラス

怒涛の連瀑は続き、2条の滝は右手の18m級が本流だ、登れそうだが、右手の樹林からすぐ巻けるので巻いた。するとすぐに3段で30mクラスの大きな滝が現れる 上段は角度を大きく変えるため全貌は見れないがこれも立派な滝だ。

この連瀑に思わず二人で顔を見合わせ「すごいですねこの沢…w」と笑ってしまう 3段30mは滝に近く右岸の樹林をややモンキークライム気味で登っていく。

ナメがある
登れる滝も多くある

滝の上は黒っぽい岩のナメ。。これはホルンフェルスか? 相変わらず薄暗い渓相だが滝とナメが続く 

3段70m級の大滝
主瀑の40m級直瀑

唖然としたのは、Co750の滝マークに掛かる3段70m級の大滝だ 15m、15m、40mといったところか こんな森の中に巨大な滝がかかっているとは… 下段は滝右横の崩れやすいバンドからごく小さく巻く(やや悪い)、中段は左手を小さく巻き、落ち口付近から接近し上段の主瀑へ向かう フリーでいったが、落ちたら危険な場所でⅢはあるのでロープを出したいところだ。上段は40m級の直瀑で凄まじい飛沫を放っている、見事!! 空間も狭く、寒いので写真を撮ったら左岸の樹林へ逃げる 

高巻きは難しくなく、落ち口へ抜けれることができた。この滝(Co750)でぷっつりと連瀑は終了 しばらくはゴーロとなるが岩質が花崗岩ぽくなる。

また小滝が連続
薄暗いが良い渓相となった

Co950あたりからまた岩盤が発達し、ナメと小滝の連続となる 相変わらず薄暗い中登れる滝がどんどん現れて小気味良い!

35m級の滝 ここから怒涛の大滝区間
すだれ状30m級

次第に沢は明るく開けてきて、Co1050付近では35m級の末広がりの大滝が現れた これは綺麗な滝だった〜 この滝を皮切りに30m規模の滝が連続します。 最初の滝は右手の染みたルンゼから巻く 間髪入れずに端正な姿のすだれ状の30m滝

これもいい滝・・・ ああなんて素晴らしい沢なのでしょう〜 これは滝左手の樹林とのコンタクトから小さく巻き気味に登る。

2段30m滝
フィナーレのトイ状大ナメ

大滝区間最後の滝は2段30m滝 下段は右手からフリーで超えて上段はロープをつけて弱点のクラックに沿って登っていきます 2ポイントハーケンで支点をとり、上部は思い切りシャワーで突破 ロープを使ったのはこの滝の登攀だけでした。 爽快にリードさせてもらいました。 

この滝の上部は無限に続くトイ状のナメ滝となっている。これは圧巻の景色! ニタノオでしか見れないトイ状の大ナメ・・これは見れてよかったです

トイ状ナメは200m以上続くか
背後は石堂山というお山

素晴らしいナメを堪能するとCo1250の二俣を右手に行くと一気にボサ沢になり、下山しましょうという運びに。

ナメの最後 この上が二俣
一ツ瀬川に帰還

ログの通り、斜面をトラバース(ややルーファイ難)し、一本北の支流を少しだけ降り、踏み跡のある尾根を駆け下りました 尾根は概ね降りやすく、地形図の破線はあてにせず、ピンクテープを追っていけばそれほど苦労しないと思います。 時間は忘れてしまったけどかなり早く下山できました ニタノオはこのルートがいいかと!

ニタノオ谷は、近くの境谷、鍋床谷などの九州を代表する渓谷の影に隠れたマイナーな沢ですが、無数の滝と上部のナメなど見所満載の!超!名渓だと思います ポムチム太鼓判です! 市房山の沢、気に入りました また絶対に来ようと思います。

ここは獰猛なヤマビルがかなり多いので忌避剤があるといいかもしれません、足回りは下部でフェルト足袋、上部の花崗岩区間ではラバー足袋を使い分けましたが良かったと思います笑

江戸切子さんありがとうございます。 まだ九州の沢紀行は続きます…

 

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