toggle
2019-09-06

今早出沢 散策

2019.9.6〜7

新潟、福島県境にある下田・川内山塊(しただ・かわち)は日本国において屈指の秘境の地。

林道開発や登山道の整備はごく僅かであり、原始の自然を今もなお残している稀少な山域である。

川内山塊は矢筈岳を中心として早出川流域を取り囲む山岳地帯を指すのだろうと思う。標高は高くても1200mそこそこで、谷底の多くは300〜500m程度しか無い。そして夏はアブ、ヒル、ダニ、ヤブ蚊の大繁殖地帯であり人間の接近を許さない山域だとか…故に登山家からは全く相手にされない山域だが、一部沢ヤには熱狂的な愛好者がおり手付かずの自然を私も見たくなった次第だ。

今回は、早出川の源流である今早出沢に散策に行ってきた。

今早出沢は、位置を地図で見てもらうと分かる通りアクセス路がない。最近は専ら室谷川支流の一ノ俣沢を遡行し峠越えで今早出に抜けるのが主流らしく、私もそれに倣った。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA TG-5

一ノ俣橋から2時間半で今早出沢に到着。一ノ俣沢はよくヌメる沢だった。

んん?どうやらかなり減水してる?しかしそのゆったりとした黄金の流れが秘境感を物語る!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA TG-5

今早出沢に急なところは一つとしてない。

非常にゆったりとトロトロと流れる沢だ。

しかし一度雨が降ると、岩盤剥き出し地形故にとてつもない増水が襲うと言う…

OLYMPUS DIGITAL CAMERA TG-5

とにかくゆるい、そして9月の残暑は厳しく、とてつもない暑さだ…うぅぅ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA TG-5

多分35度以上あったんじゃないかな。水を飲んでも飲んでも喉が渇き、少し目眩もする。

とにかく標高が低いんです。400mちょいしかなかったような。水路もそこまで深くない。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA TG-5

一人でじゃぶじゃぶと黄金の流れを楽しみます。

2時間ほど歩くと、唯一の滝「横滝」8mが出現。 イワナが悠々と泳ぐ翠の滝壺。甌穴が特徴の一本です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA TG-5

泳いで取り付けば簡単に登れそうですが、左からも簡単に巻けます。上から見たら綺麗な翡翠色の滝壺です!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA TG-5

たまにちょっとした淵が出てくる。んん〜緑!

OLYMPUS DIGITAL CAMERA TG-5

それから少し行くと、前方に壮大なスラブの景観が広がり始めた。

今早出沢の源流には「ガンガラシバナ 」と呼ばれる巨大スラブ帯が形成されており、水の流れる「右方ルンゼ」を登攀し割岩沢にぬけて周回するのが沢ヤのコースとしてとても有名。

私は逆回転で倉谷沢に抜けようと考えていたが、結果的には暑さに断念しピストンになってしまった。

「ガンガラシバナ」は中学生の頃に買った「日本の秘境」という伝説の本に掲載されていてこれはすごい!と長年憧れていた大岸壁だ。

一人なので登ることは鼻から考えてなかったし、大きいし暑いし 僕では登れないと思う。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA TG-5

前方にびっくりするぐらい巨大なスラブの山が見えてきた!!ギョギョッ!と一人で喚きながら接近!あの右側がガンガラシバナの「右方ルンゼ」

左の本流筋には、「魚返りの大滝」という50m級の滝があるらしい。その近景情報のないこの滝への接近も今回の目的だ、「滝ヤspirit」がメラメラ燃え始める。

いくつかの支流を分け、水量がほんのちょろちょろになってしまった。右方ルンゼも魚返りの大滝も水がないかも!

それでもこの太古の自然風景!素晴らしや!

ついに大きく開けました!

あまりに壮大で言葉も出ません!! 言葉を失う絶景、視野に入りきらないです。

正面の大きなスラブ山を境に右がガンガラシバナの右方ルンゼ、左が本流の魚返りの大滝が見えてきます。

まずは、魚返りの大滝から接近してみました。

正面の切れ込みに見えてるのが、魚返りの大滝です。どうやら3.4段に分かれてるみたいです。それにしても、すごい側壁…

最下段は細いトイ状のゴルジュになっている7mほどの滝でした。 振り返ると絶景!

上2段を見上げます、下から2段目は滝というか、岩盤を這う5mほどの流れです。

下から3段目はこれも6mほどの荒れた流れ、右から巻くと岩に隠れている主瀑に接近します。

こんな感じでした、水量も少なく迫力には欠けますが、その側壁は異様な存在感。

落差は30mちょいという感じです。水量があれば2条の大滝で見応えあるでしょう。多分、魚返りの大滝接写は初公開かと思われます。

滝から振り返ると広々とした空に感動します、しかし影が少なく、岩の照り返しでめちゃくちゃな熱さ!!

水をいくら被ってもすぐに熱せられて、逆に暑くなる一方でした。

続いてはガンガラシバナの右方ルンゼにきました。水はチョロリと流れるくらいです。滝としては見れません。

しかしこの巨大スラブ、悠久の歳月を経て雪が削って作り上げたと考えると非常に感慨深く、尊い存在です。

セルフィーです。

このあたりで暑過ぎて、気を失い欠けました。

下流方向でセルフィーです。インスタで70いいねくらい付きましたよ。

暑いですが、すぐ近くを整地してテントを張りました。暑過ぎて全裸になりましたが、余計に暑くなってどうしたらいいかわかりませんでした。

テントの中に蝶々が四匹くらい入って、追い出すのに非常に苦労しました。

夕暮れ時のスラブです。はんぺんのようなスラブがお気に入りです。

夜は新月で、星が見えたので無理やり撮影してみました。この大自然の中、一人で星空を見ながらゆったりするのは極上の贅沢です。

たまには、社会や電波、人間関係の一切を断ち切りに一人で山奥に入るのは大事だと思います。この場所は特に一人で来てこそ多くの自然パワーを享受できるような気がしました。

翌朝も快晴です!! 体調もすぐれないので、倉谷沢への周回はやめて(実際行けるかどうかもよくわからない)往路を戻ります。

さようなら!! 次は登れるようになってからまたくるよ!と大きく手を振って別れを告げます。自然との対話は大事です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA TG-5

イワナとともに歩いて帰ります、この日も糞暑くて、途中何度も休憩しました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA TG-5

今早出沢の散歩はこれにて終了です。

※1 前日に、SNSで川内の沢に行くと書いていた渓流釣りの3人組の方に入渓点でお会いしました。踏み跡を教えてくださり助かりました!ありがとうございます!

※2 帰りの林道を運転していると、2人組の沢ヤが歩いていました。スーッと横を過ぎなんとなくサイドミラーで見ると、ん?んん?なんか見たことある感じ。まさか!

まさかでした、僕が尊敬している同世代のトップ沢ヤ サワグルイ のお二人が歩いていました! こんな辺鄙なところでいつも見ているサイトの管理人に会うなんて!奇遇すぎ!と大興奮してしまいました、お二人は早出川本流を遡行したそうです。すごいですねぇ、本当にかっこいいお二人でした。いつか一緒に沢を歩いてみたいものです。

こんな不思議な出会いもあり、本当に充実した活動になりました。

タグ:
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です