小楊子川左俣遡行・大川下降④ 〜やっと下山〜
5.5 鹿之沢小屋停滞 大雨
鹿之沢小屋で今日の大雨を過ごすのだが、屋根を叩きつける雨音に不安が募る。
雨が弱まったタイミングで裏手の大川源流の様子を見に行くと水量は3倍くらいになっていた…
あちゃー、と思ったが午後には雨脚も弱まり止んでから数時間で平水くらいに戻ってきた。これなら明日には完全に平水に戻ってそうだ
下降できそうで一安心 花山歩道の下山はマジでごめんだったので心底ホッとする。
余った食料を食い尽くす。 マッシュポテト、パスタ、袋ラーメン、おかゆ、お菓子etc 食いまくって寝るのみ
5.6 鹿之沢小屋-大川下降-車-お谷ヶ滝
20時間くらい寝て元気モリモリに戻った、天気も予報通りにいい感じで早速下山路である大川の下降に移る。
鹿之沢小屋から永田歩道を少し降り大川が並行したところで沢に入る。最初はナメが続き良い雰囲気♫
ナメはすぐに終わってしまい、巨岩多めの平凡な渓相が続く 途中右岸が大きく崩壊した箇所があったりして結構退屈な下降だが、行き詰まることもなくペースは快調。
大川はヌメりが大変強いのでラバーソールだとスリップ要注意!
下るにつれて沢の規模も大きくなるが、正直単調。たまに小滝がある
下降し始めて2時間くらいで大川林道にかかる大川橋との半分ぐらいまできていた。ヌメる事以外、大川は下降に最適の沢かも。
標高がどのあたりだったか忘れたが、巨岩の詰まったゴルジュが出てきて右岸から巻き降りた。ここから下流は岩盤が発達した大川の見所区間。
なんだか袖沢御神楽沢に雰囲気が似てる気がする…
大きなスラブ滝も歩いて下れる 広くて気持ちがいいところ!
夏だったら飛び込んで泳ぎたい淵がたくさん出てくる
快適快適〜 懸垂下降もなくスイスイ降りていく
屋久島の川はどこも綺麗 島の沿岸部にしか生活圏がないので排水の影響はほぼない。
腰くらいまで浸かるところはあるものの、結局泳ぎもないから下降路として大川はバッチリ
co490で林道の橋が現れて、下降はここまで 林道歩きスタート
大川の下降にかかった時間は約5時間 花山歩道を下るより早いんじゃないかと思う。
大川林道を南下し、標高280mあたりで小楊子川との流域界となる尾根(地理院地図でP300の鞍部)を超えて小楊子林道へ戻る算段
この尾根越えが意外と面倒で、まさかの芋漕ぎ これはクワズイモという植物らしい 芋漕ぎ区間は下草が生えていないからマシ
芋漕ぎを終えると意味不明のトゲトゲ植物の藪漕ぎになるし、ヒルもたかってくる 短い区間だが不快指数100オーバーだった。
小楊子川でヒルと泥を落とした後に小楊子林道へ戻り、30分ほどの林道歩きで車に無事帰還!!!
時刻は15時 時間がちょっとあるので小楊子川最下流部のお谷ヶ滝を見学しに行く。
お谷ヶ滝は3.4段の段瀑で巨大な滝壺がある 直径5.60mあるんだとか 本当にすごい大きさの滝壺
お谷ヶ滝の付近で岩質が大きく変わり、下流部はホルンフェルスという黒っぽい岩になる ホルンフェルスは乾いていれば抜群のフリクションだが、濡れてたり水中にあるものはツルッツルに滑り危険を感じた 足をズラさず、上から垂直に乗せるといい お谷ヶ滝は下流の小楊子川橋から15分ぐらいで行けるが深い渡渉がある。
・・・
お谷ヶ滝から戻りようやく今回の旅が終わりました。停滞込みで4泊5日 去年からずっと想い続けた小楊子川の旅は100点満点で成功を収めることができました。
これは仲間のM氏、屋久島のお天気、休みをくれた会社、島の方々のおかげであり、あらゆる幸運に恵まれたことで得られたものだと感じます。
小楊子川での活動は人生の財産となり、一生忘れ得ない大切な思い出になりました。今後も仲間と協力しながら、怪我なく財産となる楽しい活動ができたらと切に思います。
屋久島にはまだまだ課題がたくさん… 安房川下部、瀬切川、鯛之川、女川、永田川、白谷川、花之江河沢、湯川、宮之浦川再訪 等々、願わくば全部行きたい所存です。
この夜は下山祝いで大量の寿司・刺身弁当で宴会 一瞬で寄ってくるゴキブリや羽虫に難儀しながら頬張り最後まで楽しいひと時でした。 長くなりましたが小楊子川の記録は以上です。
M氏お疲れ様でした!
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