会越のひと時
駒倉沢遡行-西の沢下降-室谷川本流下降
2020.5.30〜31
足尾の泙川三重泉沢の計画が流れ、どこにしようかと天気予報を見ていたら会越方面は快晴予報
5月に会越の沢はいささか早いが、先週の偵察もあったりで今年は条件的に狙えると踏んだ。
候補はいくつかあるが、M氏がまだ見たことのない室谷川流域がいいと思い、中でも遡行-下降で区間の被りが少ない駒倉沢を選んだ。
5.30
朝7時くらいに駐車スペースに来ると、車が1台停まっている。木の陰からヘルメットが見えたので、「あぁ、同じこと考えてる奴やっぱいるよね」
と思った。
? ??なんだか見覚えのあるザックと雰囲気 まさか!!
SNSで以前からやり取りのあった中澤さんでした!まさかの展開にお互いびっくり、というのも翌週に中澤さんとは別の会越の沢に行く予定があったのだ…
お互いこの週の予定を確認していたわけでもなく、本当に偶然、ばったり… こんなことある!? 聞くと駒倉沢〜倉谷沢だそうなので、倉谷沢の下降点までご一緒することになった!
中澤さんの同行者は山を分け隔てなく愛するわかなさん、私の同行者はいつもと同じM氏(笑)
こうして思いもよらぬ出合いと、4人での楽しい1日が始まった。
中澤さんの動画をご覧ください!
M氏の動画ご覧ください!!
これより本編です。
砂防ダム上、大久蔵沢出合から室谷川を少し進むと駒倉沢の出合い。 はっきり言うと水量も少なく、これ?って感じの雰囲気。
時折両岸が迫った地形があり、いい雰囲気
ミニマムで綺麗な造形のゴルジュはわずかに泳ぐが、多少寒いくらいで済んだ 天気が良くてよかった
以前から中澤さんの山行スタイルや自然への思いには惚れていて、一つの目標というか憧れの人物だった。こうして会越の地で偶然出会ったのは何かの縁だろうか…
女性陣もこのゴルジュにはご満悦のようだ
屈託のない笑顔と笑い声がゴルジュにこだました
抜け口はショルダーやお助け紐で通過できた。
谷に色を添えるタニウツギ
ゴーロを超えると谷は開けて明るくなった。通過に困難な場所はない
7m滝は左壁の乾いたところを登る。
3段のナメ滝はフリクションがよく効く。
その後も10m未満のサイズの滝が現れるが、難儀することなく通過できる。 天気も完璧で嬉しい限り
顕著な三俣を右手に入ると、大きなナメ滝が現れた。右手から取り付き、水流左に横断する。
灌木とスラブのコンタクトを快適に進み、ぐんぐん高度を稼ぐ
群生こそないものの、ヒメサユリの大きな花は誇らしげに咲いていた。
やがて藪は開けて、振り返ると会越の山郡が一望するようになる。
続くナメも水流右を快適に歩ける。
心地よい緊張感と絶景の中、終わるのが名残惜しいほど快適なスラブ
スラブの後も流水は続き、やがて僅かながらに残る雪渓を辿ると、巨大なブナが林立する豊かな森に導かれた。
稜線に抜けると、思った以上に展望が効く薄い藪。 背後には残雪がまだまだたっぷり残る飯豊連峰
P1005は素晴らしい好展望で、下田川内の盟主矢筈岳や、会越の盟主御神楽岳と日尊の倉山、貉ヶ森。
角度を変えれば、浅草岳や南会津の山群などまるで天国というような眺望が楽しめた。
最高の天気、最高の山にこの奇跡的に出会えた方々といること 生涯忘れられない体験になることだと思う。
中澤さんとわかなさんとは、P1005の南西にあるコルでお別れ、彼らは倉谷沢の下降、我々は尾根を進み西の沢のコルを目指す
ここは昨年7月、tkoさんと歩いた思い出深い稜線だ。
尾根の分岐を南に取ると、昨年藪が酷いと感じた区間に入る。 1年経った今でも相変わらずなかなかしんどい藪だった。
西の沢の下降では記憶にない20m級の滝を下ったが、昨年は巻いたのだろうか 大きな滝の懸垂は1度だった記憶があり混乱したが、写真の滝とは別に記憶にある大滝の下降もあったのでどうにも腑に落ちないが、木の支点も取れたので問題なく下れた。
雪渓の残る区間もあったが、無事に通過できた。 この後、テン場を探すも全然いいところがなくかなり下ったところを整地した。
5.31
2日目の様子をご覧ください! 1080P推奨
6時過ぎくらいに西の沢の下降を再開し、1時間ほどで本流と出合う。
ここの景色は感動的で、2度目でも全く色あせることなく喜びが込み上げる。
この上流も綺麗ということで、少しだけ行ってみることにした。
上流は淀川で見たような水路があり、綺麗なゴルジュが続いていた。 いつか室谷川本流の源流部を辿ってみたい
西の沢から下流は美しい神殿のような造形が続く。
去年tkoさんとこの区間を歩いた時はあまりの美しさに言葉を失った。
その後の1年で色々見たが、やっぱりここは美しい。
美しさ極まる まるで白亜の宮殿のよう
両岸白いスラブに囲まれた区間は室谷川の白眉である区間 会越を象徴する景色は究極の自然美を思わせる
OLYMPUS DIGITAL CAMERA TG-5
何がすごいって、美しい区間がずーっと続くこと。局所的になところで綺麗なところは結構あるが、室谷川は永遠に絶景が広がる
歩いても歩いても終わることがない
駒形沢の出合を過ぎると(駒形沢より下流)、泳ぎのある区間 一つ一つの泳ぎが長くて流石に結構寒い… まだ5月末ですから
いよいよ大釜だ、落ち口の付近は砂利が堆積して浅くなってるイメージだったが、ギリギリまで足がつかない
砂利が流されたのだろうか?
大釜は昨年大量の流木が漂っていて、凄まじい威圧感だったが、今回は流木の1片もなく翡翠色の水を湛えていた。
この不思議な区間は泳ぎだった気がしたが、足がついた。
最後の湖のように巨大な淵は昨年tkoさんが上流に流された楽しい思い出の淵
これ以降は平凡な河原になり、駒倉沢の出合に戻ってきた。
今回の活動を締めくくる言葉は見つからない、言い表せないほどたくさんのものを感じた。
中澤さん、わかなさん、M氏ありがとうございました。
コメントを残す