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2021-08-12

男鹿山塊 大蛇尾川西俣

2021.8.11-12

あまりの天候不順にお盆の計画は総流れになってしまった。

まぁお盆期間のうちに自分は南ノコマイで楽しんだので、悔いとかはないが いつも頑張ってもらっているのに、体調不良で沢に行けてない仲間のM氏に少し申し訳ない気持ちだった。

毎日天気予報サイトを見て、なんとか行けそうな8.11-12(12日以降は大荒れで論外)で計画を練るも名案は浮かばない…

最終的に庚申川か2年前のお盆に事故って敗退した大蛇尾川西俣の2択になった。

車2台あるし、ワイルドフィールズおじかに1台デポして大蛇尾西俣を詰めようよって計画に決定

※車止めゲート横のキャンプ場駐車場はキャンプ場利用客専用なので手前にあるスペースに停めるように指導を受けました。白滝に行く方などもご注意ください

直前にwakaちゃんも飛び入り参戦決定して3人でのOSABI BLUE巡りになったのだった

この大蛇尾川の流れる山塊「男鹿山塊」結構立派な山塊なんだけど読み方がいまいちパッとしない…

今までは「おが山塊」だと思っていたが、デポ地のキャンプ場の読みは「おじか」だ 正しくは「おじか山塊」なのだろうか? ちょっとそこらへんは間違えて覚えたくないので詳しい方教えてください!

さて、この大蛇尾川西俣 2年前のお盆にM氏が死にかけた因縁の沢だ。水量が多いとやばいんだけど 前3日で50mm程度の降雨 果たしてどうなっているか…

10日夜のうちにM氏の車を下山予定のワイルドフィールズおじかにデポして塩原の道の駅で前泊 なんだかとっても涼しい。これまでの猛暑が嘘のよう めまぐるしい気温とお天気の変化に体がついていけない…

8.11

4時半に起床して道の駅を出発 30分もかからずに林道に差し掛かる

大蛇尾林道は相変わらずというか、ダートの荒れ具合が半端なくて そりゃもう最悪の部類 なんとかSUVで侵入できるところまで行ったが、これまで経験した悪路TOP3に入る具合だ(笑)

長いアプローチを経て取水堰 吊橋から見る大蛇尾川はやはり美しい色だ 水量も前回よりは少なそう でもいざ川に入ってみるとそれなりの水量で時々キツイ渡渉もあった。

大蛇尾川は釣り師のフィールドでもあり、この日も何人もの釣り師に遭遇 釣り師の入る川はとにかく残置物やゴミが多い 不毛なトラブルにならないようそっと挨拶し先行させてもらう…

しばらくあっち行ったりこっち行ったりの渡渉を繰り返して、西俣・東俣出合に到着

驚いた!!西俣は土砂に埋め尽くされている! 西俣を300mほど入ったところの右岸が山抜けし完全に沢を埋めている…

これは2019年10月の台風19号ハギビスの影響か、それともこの付近で発生した地震がトリガーか… 何れにしても2019年8月の遡行時とは渓相が全く違ってしまっている。

大崩壊付近は完全に伏流し、その先には堰き止め湖が形成されている

幸い泳がずに左岸の樹林から巻けるが、短期間でこんなにも様変わりしてしまったのは衝撃的だった。

ゴーロを進むと最初のヤギ滝 上段は前回ほどでもないが、やはり水量多く 左岸の崩壊地から高巻く

ヤギ滝の上流は美しいナメが展開し、倒木が目立つものの埋まってしまうことなく存在している

ほどなく歩くと、大蛇尾ブルーのあの大釜が!(前回は増水で釜全体が煮え繰り返っていた)… 遠くからでも見える圧倒的青色…おお!今回は青いぞ!

あっっお〜〜〜!! これが大蛇尾ブルーだ! 素晴らしい透明感と清涼感 本当に綺麗だ!

釜全体は右岸枝沢の土石流によって埋まり半分以下の大きさになってしまっているが、青さは健在! 感激!

ここは飛び込んで泳ぎたいところだが、この沢の水温はとても低い… 泳ぐ気にはなれなかった

マジに青いぞ!!  決して派手ではなく、どこか儚げで優しい青さ どうかこの釜は埋まることなく残って欲しい!!

Photo wakaちゃん 大蛇尾ブルーを見れて大満足の私

そして、事故のあった釜 当時は荒れ狂っていて釜全体がボイルしていたが、今回はやや多めの水量ながらも危険は感じない。

向かって左側の流れに巻かれて意識を失っていたM氏 tkoさんと必死になって心配蘇生し、大量の水を吐きながら息を吹き返した

あれからもM氏とは山行を続けて、今ではすっかり自分よりも遥かに強力な沢女になってしまった。そうして戻ってきた大蛇尾川

M氏はしばらくこの釜を見続けていた。

その後我々は今日まで大きな事故なく、楽しく沢に行けている 今後も事故のないように活動していく。

釜から先は初めてのエリア 大きな幅広のナメ滝があったり楽しいが、やはり崩壊が目に付く。

特にこの辺りは枝沢のことごとくから土石流の跡があり、側壁も崩れまくっている かつては関東一の美渓と言われた大蛇尾川だが、崩壊著しく大きく美観を損ねてしまっている。

埋没を免れたいくつかの釜を楽しみながら進むと、核心の一つの7m滝 M氏が先行して左壁の腐ったフィックスに助けられつつ登り切ってくれた。

正直フィックスがなければ厳しいって感じだった。

その先も荒れまくっていて、左岸の強烈な岩盤崩壊は2つ目の小さい堰き止め湖を作っていた

この辺はもう周囲が全部崩れてしまっている感じ 最近の記録では、この辺で荒れた渓相に飽きてしまい引き返すパーティも多いようだ

徐々に綺麗な渓相を取り戻したらとっても綺麗なナメ釜が癒してくれた!

この辺りまで来るとナメも綺麗なまんま残っていて、美渓と謳われた所以を感じる

一際美しい姿の10m滝 深い釜はあんまり大蛇美ブルーじゃないけれど 滝としては最も美しい名瀑でした!

右岸の樹林から小さく巻いた 水量が減れば直登もできるらしい…? ここからは崩壊も多少減り、遡行が俄然楽しくなってくる!

すぐに綺麗な釜の6m滝 ここは左壁から問題なく登れた。

6m滝の上も開放感のある極上のナメが! 節々に感じる大名渓の片鱗 数年前までは紛れもなく最高の美渓だったのだろう(関東一かは不明)!

ゴーロ連瀑を超えたCo1180付近で最高の河原があったため、今日はここまで 女性陣は釣りに出かけたが全く魚はいない模様

釣り師の捨てていった網や餌ケースも薪にして大焚火大会を開催 角煮ラーメンやソーセージを貪り少量の酒を飲んでいると…ポツポツと降ってきたようだ。

タープをさっと張るころには結構な本降りになり就寝 8月なのにかなり寒くて夜中に何度か目覚めてしまった。

8.12

5時には起きて、まったり準備7時ごろにようやく出発となった。

今日は西俣を瓢箪峠まで詰めて塩那道路をまたぎ、日光側の白滝沢を下降→横川牧場→キャンプ場って行程だ。

幕営地からしばらくは平々凡々

時折、簡単な小滝が出てきて退屈させない 写真だと分かりにくいが本当に水が綺麗

崩壊もすっかり減り始め、白いナメが随所に現れる まるで東北の沢のよう むしろそれよりも美しいくらいだ

現在、遡行として一番楽しめるのはこの区間から先だろう

ハイライトの一つ、30mの大滝が見えてきた! 思った以上にデカイ! 滝下に流木が挟まってしまっているのが残念だが、滝マニアでもある自分には堪らない!

手前の泳げる長い淵は右岸をへつって超えた 滝の前は凄まじい轟音と飛沫に震える🙄

滝の右側壁のルンゼから小さく巻けそうなので、詰まった流木を頼りに渡渉して真正面のルンゼからルートをとることにした

ルンゼへは8mほど中段までシャワーを浴びて登る。滝の流れを横断するところが少し躊躇してしまうレベルの勢いだが、案外足場はしっかりしていて吹き飛ばされる感じではなかった。

しんがりのwakaちゃんも続く 上から見るとなんかもう凄いもみくちゃになっているww

この時のwakaちゃんの目がマジすぎだった(笑) 皆揃ったらにっこり 楽しいね〜! もうちょっと暑かったら最高だったけど、気温も低くてずぶ濡れでさっむいわ🥶

落石注意のルンゼを7.8mほど登り、左手の針葉樹の樹林帯に入って滝右を小さく巻いていく。

針葉樹は腐っていたり、ちょっと強度が信用できないものが多かった ワンポイント危ういトラバースをこなすと滝頭から続く大ナメと並走した樹林に出た。

ほとんど無駄なく巻いたが、滝上のナメは斜度も強く、ミスったら人生終わり確実なのでナメが終わるあたりで沢に復帰した。

滝上のナメの様子 ヌメリが非常に強い この大蛇尾川はフェルトでないとどうにもならないほどヌメリが強い沢、時折フェルトのフリクションで厳しいところもあるが、ラバーソールではどうすることもできないような所がほとんどだ

滝上は側壁の崩壊を正面に見ながら大きく右曲すると、最高のナメゾーンになる 白色にオレンジのまだらが混ざった岩盤

ナメ歩き きっっもちぇぇぇええ!!

なかなか素晴らしいナメだった〜!

ここは長いことナメが続いていて、歩いていて一番気持ちがいい所

ナメの先には3段の小滝 ここも綺麗なところでうっとりしちゃいしばらく休憩

越後名渓にも引けを取らないような絶品のナメゾーン

女性陣もこの渓相に大喜び 楽しんでくれてよかった!!

30m大滝を超えてしまえば難所は全くなくて、ナメやゴーロ時々小滝を登ってペースよく進んでいく。

水量は徐々に減りだし、流水の水温はキンキンに冷たくなる 苔の生えたナメを登り、そこらじゅうから注ぐ湧き水を飲んで湧き水ソムリエ

Co1480の二俣を左手にとり、右岸の大崩壊を超えると間も無く水流は消滅 そこでもう一つ二俣がありここも左へ進む

水流は完全にないが、しばらくは枯れて歩きやすい登山道のような沢型が続く 最後までこれだったらな〜と思った矢先、沢型は藪に消えてしまった…

高低差にして100mほどの藪漕ぎ、wakaちゃんが先陣を切って笹薮に突っ込んでいくが なんだか凄まじいスピードで藪漕ぎをしている

昨年の袖沢御神楽沢や葛根田の時とはまるで人が違うような漕ぎっぷり!! 短期間のうちに上級藪漕ぎストに変貌を遂げていた。

結局、塩那道路に出るまでwakaちゃんが終始先行して漕いでくれた(笑)  女子は強い!

その手では有名な未成廃道の塩那道路 一体何のために作ったのかマジでよくわからないが、すでに一部は自然に帰りつつある。

瓢箪峠にある池の正体 臭い沼だった

沼の裏手から軽い藪漕ぎを15分ほどで白滝沢源流の沢型に入る クソ歩きにくいズルズルの沢型は、降れど降れど一向に水流が現れない。

地形図の水線が描かれたあたりからようやく水が現れる、白滝沢はスカ沢中のスカ沢だった

途中の古い廃棄車が一番の見所だった 左岸の林道に入り下っていくと、途中白滝がちょろっと見える 白滝は記憶よりずっと下流にあった。

ここからひたすら林道歩きだけど、なかなかに嫌んなる距離があり みんな無言になり黙々と林道を歩く

もうまーじ疲れてきたって頃にようやくワイルドフィールズおじかに到着っ😱

ひーっ疲れた!!

サクッと着替えて大蛇尾林道まで車を回収しに行き 飯は焼肉のつもりが時短でやっていなくてサイゼでした笑

大蛇尾川西俣はここ数年で崩壊しまくって相当荒れているところもあるけど、上流は綺麗なまんま残っておりとても充実した2日間でした!

大蛇尾西俣はちゃんとリベンジ出来ました◎ そのうち東俣で虹鱒つりにでもいくか!

wakaちゃん、M氏ありがとうございました!

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